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三菱「エメロード」が分かる人はマニア確定! バブルに乗り遅れた「ギャラン」の派生モデルとは

フロントマスクの6つのライトが特徴的なエメロード

ギャラン派生の最後発モデルとなったエメロード

1986年から1991年まで続いたバブル景気は、当然ながら自動車業界も大いに影響を受け、それに付随して大ヒットを記録した車種も少なくなった。また各メーカーとも自社のシェアを拡大するために販売チャンネルの増加やそれに伴う兄弟車の設定など、同一メーカーの同じジャンルの車種が数多く乱発されたのもこの時代の特徴と言えるだろう。今回紹介する三菱エメロードもその1台だ。

上質な4ドアハードトップとして登場

三菱はセダンが多く存在していたメーカーで、コンパクトなミラージュやランサー、ミドルクラスのギャランとその派生車種、そして大型セダンのディアマンテやシグマにデボネアと、今ではラインナップにセダンがないのが信じられないくらい多くのモデルが存在していたのだ。

1992年5月に登場した7代目ギャランは、角ばってマッシブな印象だった先代モデルとは打って変わって丸みを帯びたデザインに変貌し、カープラザ店向けの兄弟車であるエテルナと同時にリリースされた。そしてそのギャラン/エテルナのおよそ半年後の1992年10月に追加されたのが、エメロードということになる。

エテルナはギャランのプラットホームを流用しながらも、伸びやかな印象を与えるハードトップボディを持ったスペシャリティセダン。ピラーレスではなかったものの、カリーナEDがその先陣を切ったスタイリッシュな4ドアハードトップのジャンルに該当するモデルとなっていた。

スタイリッシュで優雅さがウリのモデルということもあり、ギャランに設定されていたV6 2Lツインターボエンジンは設定されなかったが、最もベーシックなエントリーグレードに直列4気筒モデルを用意した以外は、全車V6エンジンを搭載していた。

このように上質な4ドアハードトップとして登場したエメロードではあったが、販売面で苦戦を強いられると1994年1月に特別仕様車として、200ps(MT車)を発生するMIVECを搭載したV6 2Lエンジンが与えられた「スーパーツーリングR-スペシャル」をリリース。翌月からは「スーパーツーリング-R」というカタログモデルとしてスポーティ路線へ舵を切った。

しかし、すでにバブル景気は弾け、4ドアハードトップブームも終焉してしまっていたタイミングということもあって、結局起爆剤になることはなく、1996年7月にベースのギャランがフルモデルチェンジを果たすタイミングで姿を消すこととなってしまった。

通常、新車の開発は登場する数年前からスタートすることが当然であり、エメロードはバブル景気の真っ只中に企画されたモデルであると思われるが、残念ながらその流れに乗ることはできなかった不運の1台と言えるだろう。

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