参戦4年目ながら秘めた実力を存分に発揮
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は244号車HACHI-ICHI GR Supra GTで戦う「Max Racing」を紹介しよう。
2023年シーズン開幕戦は3位表彰台で勢いに乗る
Go Maxの名で自らもレースにエントリーしていた、大野剛嗣さんが発足したレーシングチームで、2020年よりスーパーGT GT300クラスに参戦。デビューイヤーの2020年こそ目立ったリザルトを残せなかったが、2021年は主力モデルをレクサスRC F GT3からGRスープラへ変更すると、三宅淳詞/堤 優威のコンビが第3戦の鈴鹿で初優勝を獲得するなど、素晴らしいパフォーマンスを披露していた。
残念ながら2022年は目立った成績を残せていないが、2023年はMax Racingが台風の目となるに違いない。
歴史こそ浅いものの、Max Racingはもともと技術力の高い「つちやエンジニアリング」が車両のメンテナンスを担当するほか、レース経験の豊富な田中哲也が監督を務めている。マシンは前述のとおり、抜群のコーナリング性能を誇るGRスープラで、2年間の実戦を経たことによって、セッティングを含めてさらなる進化を果たしていることだろう。
ドライバーは2022年に引き続き豊富な経験を持つ佐藤公哉と若手の三宅のコンビで、ソフト面においても充実のラインアップと言える。
事実、Max Racing 244号車は2023年の開幕戦・岡山で素晴らしいパフォーマンスを披露。予選こそ12位と出遅れたものの、決勝では粘り強い走りと完璧なレースオペレーションを披露し、3位表彰台を獲得した。
残念ながら第2戦・富士、第3戦・鈴鹿はノーポイントレースに終わったが、優勝経験があり、ドライバーやマシン、チームの総合力は高いレベルにあるだけに後半戦では244号車が上位争いの鍵を握る可能性が高い。
JAF-GT300用のヨコハマタイヤも確実に進化を果たしているだけに、コンディション次第では、Max Racingが予選、決勝ともにトップ争いを左右することになりそうだ。