恐竜の骨格標本のような迫力あるボーン(骨)スタイル
インパクトのあるフロントマスクは、グリル一体式のライトジャケットと組み合わせることによって、立体的でイカツい顔つきに仕上がっている。フロント全体のデザインについては、ワンオフで製作されたバンパーの造形に合わせて完成させた。鋭いイメージを与えるためにファイバーで製作したボンネットを追加したことで、迫力満点の表情が作り出されている。ボディカラーがホワイトということも相まって、そのゴツゴツとした印象から、恐竜の骨格標本、もしくはウルトラマンに登場する亡霊怪獣シーボーズのように見えてくるから面白い。
サイドパネルはK-BREAK製のものを加工して装着している。のっぺりとした印象になりがちなサイドラインだが、サイドフィンがあることでインパクトのあるデザインに。さらにサイドフィンを延長加工して強調しているところが一番のポイントといえるだろう。
K-BREAK製のエアロはほかにもリアバンパーに採用している。マフラーは複雑なパイプ形状になっているので、リアバンパー中央部が加工されており、マフラーを魅せる演出にひと役買っている。リアディフューザーの部分については、メルセデス・ベンツ「S600 AMG」用のパーツを移植済み。
ギャップの面白さを求め8人乗りを2シーターに
インテリアに関しては、8人乗りのミニバンであるにもかかわらず、なんと2シーター化しているのだから驚きである。普通では考えつかないアプローチのカスタムといえるが、
「こんなミニバンが2人しか乗れないなんて、ギャップが面白いかなぁと思って……」
と、ツチコさんが製作の経緯を語ってくれた。
当然ながら座席は運転席と助手席のみということになる。インテリアもボディカラーに合わせて真っ白に統一され、またアクリル板とLED照明を使用してオーディオシステムが組まれている。気になるセカンドおよびサードシートのスペースはというと、シートを外してトランクルームとして活用されている。まだ製作途上で、今後はリアスペースも作り込む予定なのだとか。
プライベート・ビルダーのツチコさんの渾身の力作は、誰とも被らない唯一無二の存在を目指して製作された。そのアイデアと熱意にあふれた1台は、ショーモデルとして圧倒的な存在感を放っていた。