ルーアン-レゼサール・サーキットの旧コースを疾走
ヴァンデ自動車博物館を訪ねた翌日、7月6日の木曜日からは、いよいよル・マン・クラシック2023が始まった。ル・マン市街の北部にある安宿から10kmほどを「通勤」する毎日となったが、ホテルは土曜の朝にチェックアウトし、土曜の夜はカングーで仮眠しながら24時間取材するつもりだった。
でも、メディアセンターから遠く離れた駐車場があてがわれていたために、夜駐車場まで20分近く歩いていく元気はなく、メディアセンターで机に突っ伏して仮眠しながらの取材となった。そのために残念ながら、期待していたカングーの車中泊レポートはできなかったが、リアのカーゴスペースには意外な使い道があったことを報告しておこう。
安宿に泊まることが専らなのだけれど、こうしたホテルではエレベーターが完備していないことが多い。でもたいていの場合は2階以上の部屋をあてがわれるのだが、重いトランクを持って階段を上っていくのは楽ではない。
そこでカメラやパソコンの入ったデイバックと着替えなどが入ったトートバッグだけで部屋に向かい、トランクはリアのカーゴルームの中で一夜を明かすことになるのだが、トランクを広げて着替えなどをトートバックに入れる際に、広いカーゴスペースがモノを言うのだ。
またトノカバーがあることで中の荷物が人目に触れないのもうれしい。ただし走行中もそのままだと、例えトランクを閉めていたとしても、ブレーキングやコーナリングで前後左右に動き回ってしまうから、運転中はフロントのシートバックとリアのシートクッションの間に挟んでおくことが望ましい。もちろん、後席にも友人が乗り込むような場合には、カーゴネットなどがあれば悩むこともないだろう、と思った次第。
ル・マン・クラシックの取材を終えた後も、博物館巡りが続くのだけれど、月曜日の午前中に再度、ルーアン-レゼサール・サーキットの遺跡を訪れることにした。車載のカーナビでルーアン-レゼサール・サーキットの住所を目指し、近くなったらスマホのグーグルマップで詳細を調べる。この方法はなかなか優秀で、これまでに何度も助かった思い出があるが、今回もとても有効だった。
そしてカングーでへアピンから登りのセクションへと立ち上がっていく辺りを体感できた(と思っている)。実際、メインのルートを外れた集落の中にはCircuit Autoと名付けられたバス停があり、グーグルマップにもここがルーアン-レゼサール・サーキットの旧跡だと記されていた。
もしも再度訪れる機会があれば、さらに詳しく調べてみたいと思った次第。そして午後は8年前にも訪れたこともある旧シムカの工場に整備されたL’Aventure Automobile à Poissy – CAAPYを訪れることにしたのだけれど、急に思い立っての訪問だけに予約を取っていなくて博物館には入館できなかった。
事前にきっちりスケジュールを立てていても訪問できないケースもあるため、午後の時間が空いたから、と急遽の訪問では仕方ないところ。だが水曜日に訪れた同じ系列のシトロエン歴史遺産アカデミー(Conservatoire Citroën & DS)でその話をしたところ、フロントのスタッフが「8年前に訪れていたなら何も問題ないよ。だってその時に比べるとスペースも狭くなり、展示車両も減っているんだから」と説明してくれた。
実はシトロエン歴史遺産アカデミーも2度目の訪問だが、現在の地に移転してからは初の訪問で、前回はシトロエンの広報さんが説明員を用意し、アテンドしてくれた。しかし、今回は一般のお客さんと同じで全くの「放し飼い」状態。思うままに撮影できた達成感もあり、CAPPYを訪れることが叶わなかった悔しさは完全に解消され、無事に帰国の途につくことになった。