STIパーツを効果的に配置している
ノーマルのデザインはそのままに、加工や素材を変えるというのは、やはり自動車メーカーならではの手法だ。彼らはさまざまな高級車の加工を知っており、それを反映させることが可能なのだ。そうやって質感を高めているからこそ、カーボン調パネルを使ったインパネやSTIロゴ入りのエンジンスターターなど、レーシーな雰囲気が安っぽく見えない。
外観ではブラック塗装されたSTI製の17インチホイールと、それにコーディネイトした形のブラックのドアミラーが装着されている。撮影車両のようなダークカラーでは判りにくいが、ホワイトやシルバー、レッドのボディカラーでは、結構渋い感じになる。
速さだけを求めるのであればコンプリートである必要はない
動力性能やハンドリングには、一切手が加えられていない。エアロパーツも装着されていないので、性能でのプラスになる部分は軽量化されているはずのSTI製アルミホイールくらいのものだ。速さだけを求めるのであれば、コンプリートである必要はない。
自分の必要な速さの要素を選択・集中したほうが、効果的でありコストでも有利だ。あえてコンプリートである理由を挙げれば、全体のバランスのよさであり、ノーマルと同等のフィッティングのよさであり、トータルのコーディネイトである。そういう意味で、この大人のためのコーディネイトであるプレミアムスポーツ・パッケージは、コンプリートチューニングカーのひとつの方向性を示しているのである。
BRZプレミアムスポーツパッケージ
[特別装備]電動格納式リモコンドアミラー(ブラック塗装)/メーターバイザー[アルカンターラ(ブラック)、タンステッチ]/カーボン調インパネパネルタンレザーシート(モスグリーンステッチ、BRZロゴ刺繍)/タンインテリア/サテンシルバー加飾/STI製17インチアルミホイール(ブラック塗装)STI製プッシュエンジンスイッチ(STIロゴ入り、レッドタイプ)
※この記事は2014年のXaCAR 86&BRZ magazine Vol.03の記事をもとに、再編集したものです。表記の数値や肩書きなどにつきましては、当時のものになります。