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スバル「BRZ」の上質装備「プレミアムスポーツパッケージ」とは? メーカーだからできるカスタマイズをお教えします【BRZ名車プレイバック】

SUBARU BRZ Premium Packageは、当時の価格で6速MTで303万45万円、6速ATで311万325万円であった

カラーコーディネイトと素材置き換えで質感向上

速さを求めることだけがチューニングではない。クルマの魅力を高めることがチューニングの果たす役割であり、速さはその一部でしかない。果たしてBRZプレミアムスポーツパッケージは、そうしたクルマに仕上がっていたのだろうか?

(初出:『XaCAR 86&BRZ magazine Vol.03』)

自動車メーカー発信のカスタマイズだから完成度が高い

自動車メーカーがリリースするカスタマイズカーには、当然ながら制約が存在する。自動車メーカーという立場では踏み込めない領域が明確に存在するからだ。しかし、逆に自動車メーカーだからこそ、実現できるアイデアもある。

BRZプレミアムスポーツ・パッケージは、2013年12月から発売されていた特別仕様車だ。特別仕様車といえば、なんとなくコストパフォーマンスに優れたお買い得車というイメージもある。プレミアムスポーツ・パッケージも確かにお買い得であることは間違いないが、その意味合いは少し違う。スバルBRZのノーマルには存在しない、シックなコーディネイトを与えたバージョンなのである。

シートやインテリアのカラーをタン&ブラックで統一

ハイライトは、シートやインテリアのカラーが、タン&ブラックとなったことだろう。しかもシートのステッチはモスグリーンという、こだわりのコーディネイトだ。ステアリングの上下やドアの一部もタンカラーとなっており、インテリアの雰囲気を一変させることに成功している。シートのヘッドレストにはBRZのロゴが入っている。シートは、クルマを構成するパーツとしては高価なもので、それを入れ換えたり加工したりするのは、とてもコストがかかる。だが自動車メーカーが作れば、それほど価格を上昇せずに済むというメリットがある。

メーターバイザーには、フロントガラスへの映り込みがないアルカンターラでカバーされ、そこにタンのステッチが入れられている。センターコンソールやステアリングのスポーク、エアコンの吹き出し口などはメタル調樹脂パーツがノーマルだが、それをアルミ蒸着塗装によってサテンシルバーとしている。これだけで、高級感はかなり上昇している。

STIパーツを効果的に配置している

ノーマルのデザインはそのままに、加工や素材を変えるというのは、やはり自動車メーカーならではの手法だ。彼らはさまざまな高級車の加工を知っており、それを反映させることが可能なのだ。そうやって質感を高めているからこそ、カーボン調パネルを使ったインパネやSTIロゴ入りのエンジンスターターなど、レーシーな雰囲気が安っぽく見えない。

外観ではブラック塗装されたSTI製の17インチホイールと、それにコーディネイトした形のブラックのドアミラーが装着されている。撮影車両のようなダークカラーでは判りにくいが、ホワイトやシルバー、レッドのボディカラーでは、結構渋い感じになる。

速さだけを求めるのであればコンプリートである必要はない

動力性能やハンドリングには、一切手が加えられていない。エアロパーツも装着されていないので、性能でのプラスになる部分は軽量化されているはずのSTI製アルミホイールくらいのものだ。速さだけを求めるのであれば、コンプリートである必要はない。

自分の必要な速さの要素を選択・集中したほうが、効果的でありコストでも有利だ。あえてコンプリートである理由を挙げれば、全体のバランスのよさであり、ノーマルと同等のフィッティングのよさであり、トータルのコーディネイトである。そういう意味で、この大人のためのコーディネイトであるプレミアムスポーツ・パッケージは、コンプリートチューニングカーのひとつの方向性を示しているのである。

BRZプレミアムスポーツパッケージ
[特別装備]電動格納式リモコンドアミラー(ブラック塗装)/メーターバイザー[アルカンターラ(ブラック)、タンステッチ]/カーボン調インパネパネルタンレザーシート(モスグリーンステッチ、BRZロゴ刺繍)/タンインテリア/サテンシルバー加飾/STI製17インチアルミホイール(ブラック塗装)STI製プッシュエンジンスイッチ(STIロゴ入り、レッドタイプ)

※この記事は2014年のXaCAR 86&BRZ magazine Vol.03の記事をもとに、再編集したものです。表記の数値や肩書きなどにつきましては、当時のものになります。

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