バイクを積載できる驚きの実用性も備わっている
デッキ部分はピックアップスタイルにカスタムが施されている。折りたたみ式のラダーが常設されていて、バイクを搭載するトランスポーターとして活用。よく見ると、トライアンフのバイクも渋く仕上げられていた。サスペンションについてはハイドロ仕様なのかは定かではないが、車高を落としたままの状態でバイクを積み込むことが可能となっている。実用性も抜かりないところは、見た目だけを追求したただのショーカーではないことを物語っていた。
インテリアも一貫して近未来を意識した凝ったデザインになっている。宇宙船のようなメタリックな質感で統一されていて、まるで『サンダーバード』の操縦桿のようなステアリングがセットされていた。さらに、金属からそのまま削り出したような、いわゆるビレットパーツを各部に使っているところもセンスの良さがうかがえる。ちなみにメーターベゼルは1957年式「エルドラド」用のものだそう。そして個性が際立つシートは、マフラーに使用するパイプを加工して製作された。ボディに合わせて独特の曲線をつけてセッティングされている。シートひとつ取っても、素材から形状まで徹底したこだわりが感じられ、未来感の演出にひと役買っている。
ボディカラーは、シルバーベースにゴールドパールを加えた3コート仕上げとなっている。あえてシンプルかつ無機質なカラーをまとわせたことで、造形の奇抜さをよりいっそう際立たせる効果を発揮していた。
近未来と旧き良き時代のスタイルの融合
アルミ叩き出しパーツで作り上げられた近未来マシンは、どことなく50年代のアメリカンスタイルを漂わせている。その独特の雰囲気に、たまらない魅力を感じてしまう。きっとカスタムが好きな人に限らず、このクルマから学べるアイデアや技は少なくないだろう。