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「サンダーバード」のような謎の近未来マシンの正体は!? レトロ・フューチャー風にカスタムされたシボレー「シェビー」でした

なめらかな曲線を描くボンネット

他の追随を許さない奇抜さで注目を浴びていた近未来スタイル

カリフォルニアカーライフというスタイルで、アメ車やヴィンテージカーの愛好家たちから絶大な人気を誇るカーカンパニー「MOONEYES(ムーンアイズ)」。そのイベント「横浜ホットロッドカスタムショー」で他を圧倒する存在感を放っていたのが、正体不明の近未来マシンでした。名古屋のローライダーショップ「パラダイスロード」が、ショーカーとして製作した渾身の1台を紹介します。

ヴィンテージのアメ車が大変身

日本のカスタムファンが注目するMOONEYESのイベントで発見したのは、SF映画に出てきそうな近未来マシンだった。コクピットをのぞくと、完全2シーターのキャノピースタイルが未来感を盛り上げている。ドアはハサミのように上方に開くシザーズドアで、荷台はピックアップトラック風のつくりになっている。さらに、その荷台にはバイクまで搭載されていた。見たこともない斬新なスタイルでワクワクさせてくれるこのクルマの正体とは、いったい何なのだろうか。

近未来の乗り物かと思わせる謎のクルマ。美しい流線形のボディというだけでなく、一体成型で生み出されたかのようななめらかなラインが印象的だ。じつは、このクルマの正体は1950年代のアメ車で、ベースとなっている車両はシボレーの「シェビー」だった。名古屋のローライダーショップ「パラダイスロード」が完全なるショーカーとして製作したものだ。

まるでプラモデルのようなワクワク感がある

もともとは2ドアセダンのシェビーが、カスタムの極みを追求すべく大変貌を遂げていた。そのため、大胆にもAピラーはすっぱりと切り取られ、ルーフが取っ払われているのだ。そして戦闘機を彷彿とさせるキャノピースタイルに生まれ変わっていた。キャノピーは、シザーズドアとともに可動式で開閉できる仕組みになっていて、ギミック感のある作り込みに思わず心躍らされてしまう。

SF映画に出てきそうな近未来的スタイルリングは、目新しいのに、どことなくレトロな雰囲気も漂わせているから不思議だ。フルカスタムされているように見えるボディも、よくよく確認してみると、エンジンフードの膨らみやリアフェンダーの形状にシェビーの面影をうかがうことができる。しかしながら、ピックアップトラックに改造されたうえに、奇想天外な見た目のインパクトのおかげで、ベース車を推理しようという興味すら吹き飛ばされてしまうほどだ。

バイクを積載できる驚きの実用性も備わっている

デッキ部分はピックアップスタイルにカスタムが施されている。折りたたみ式のラダーが常設されていて、バイクを搭載するトランスポーターとして活用。よく見ると、トライアンフのバイクも渋く仕上げられていた。サスペンションについてはハイドロ仕様なのかは定かではないが、車高を落としたままの状態でバイクを積み込むことが可能となっている。実用性も抜かりないところは、見た目だけを追求したただのショーカーではないことを物語っていた。

インテリアも一貫して近未来を意識した凝ったデザインになっている。宇宙船のようなメタリックな質感で統一されていて、まるで『サンダーバード』の操縦桿のようなステアリングがセットされていた。さらに、金属からそのまま削り出したような、いわゆるビレットパーツを各部に使っているところもセンスの良さがうかがえる。ちなみにメーターベゼルは1957年式「エルドラド」用のものだそう。そして個性が際立つシートは、マフラーに使用するパイプを加工して製作された。ボディに合わせて独特の曲線をつけてセッティングされている。シートひとつ取っても、素材から形状まで徹底したこだわりが感じられ、未来感の演出にひと役買っている。

ボディカラーは、シルバーベースにゴールドパールを加えた3コート仕上げとなっている。あえてシンプルかつ無機質なカラーをまとわせたことで、造形の奇抜さをよりいっそう際立たせる効果を発揮していた。

近未来と旧き良き時代のスタイルの融合

アルミ叩き出しパーツで作り上げられた近未来マシンは、どことなく50年代のアメリカンスタイルを漂わせている。その独特の雰囲気に、たまらない魅力を感じてしまう。きっとカスタムが好きな人に限らず、このクルマから学べるアイデアや技は少なくないだろう。

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