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伝説のAMG「レッドピッグ」が北九州に! 本物そっくりのレプリカは公道仕様なのでその気になれば普段遣いもできちゃいます

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏

ベース車両はメンテナンス性や耐久性を重視

現在のAMGの原点ともいうべきマシンが、この1971年に登場したメルゼデス・ベンツ300SEL6.8AMGであり、忘れることのできない記念モデルであることは間違いない。だが残念なことに、オリジナルモデルはテスト中の事故によって全損し、この世には存在していない。したがって今回紹介するモデルは、そのオリジナルを再現したレプリカということになる。

しかし、ただのレプリカと言うなかれ。希少価値という点では非常に貴重な1台なのだ。そのクルマを所有しているのは、ヴィンテージカー専門店として北九州市小倉にファクトリーを構える「VISCO」だ。クルマの素性について詳しい話を代表に聞くと、もともとアメリカのビルダーが製作したものだったという。そのため、本来なら300SELをベース車両として使うべきところが280SEになっているとか。

それはなぜなのかというと、300SELは足まわりがエアサスペンションになっているため、マメなメンテナンスが必要になり、耐久性の面でも不安を抱えているからだという。そこで、スプリング式サスペンションのモデルである280SEをベースに作り込まれているそうだ。

その気になれば手に入れて街乗りもできる

見た目に限って言えば、完全なるレーシングモデルとして再現されていて、レッドピッグならではのスパルタンな雰囲気を醸し出している。ところが実際にレースに出て走るために作られたわけではないので、街乗りとして公道を走行できる仕様になっているのだ。オリジナルの再現度は抜かりなく、トランクに搭載されているレース用の安全タンクでさえダミーで備えられているほど。オリジナルに忠実ながら、実用的にアレンジされているところがじつにユニークだ。

AMGを有名にした伝説のメルセデスが、街乗り仕様にリメイクされているとなれば、レーシングカーには手を出しにくいと思っている人でも、思わず手に入れたいと思ってしまうのではないだろうか。そんな人には朗報。じつはこのレッドピッグは、決して手の届かないショーモデルではないのだ。実際にVISCOが販売していて、その気になれば手に入れることができる。日本にはここまで忠実に再現したレッドピッグは他に存在していないそうなので、興味のある方はぜひお店に問い合わせてもらいたい。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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