新城ラリー以上に盛り上がるイベントに期待!
以前AMWでもリポートをお届けした新城ラリーの後継イベント問題だが、ついに正式発表。2023年8月10日(水)、午前11時30分から蒲郡市役所で、「蒲郡市のラリー開催準備室設置」の記者会見が行われた。
「新城ラリー」に代わる、蒲郡で開催のラリー?
記者会見には鈴木寿明蒲郡市長と、長年新城ラリーのオーガナイザーを務めてきたMASC(モンテカルロ・オート・スポーツ・クラブ)の勝田照夫代表(WRC参戦中の勝田貴元選手の祖父にあたる)がそろって登壇。新城ラリーに代わる新たなラリー開催に向け、「ラリー開催準備室」が設置されることが発表された。
新城ラリーは2004年にJAF中部・近畿ラリー選手権の1戦としてスタート。2007年から全日本ラリー選手権へ昇格している。当初は市内の桜淵公園をメイン会場として使用してきたが、規模拡大に従って県営新城総合公園へ変更しながらも、20年にわたって新城市を会場に、5万人を上回る観客動員を数える国内有数のラリーイベントであった。2023年3月に第20回大会を開催したものの、6月29日にその大会を最後に閉幕したことが発表されている。
その後、新城ラリーの「10km以上のコースが少ないこと、新城総合公園はキャパシティが不足している」といったことが挙げられ、代わりの候補地のことが噂されてきていた。それが今回発表となった蒲郡市である。
蒲郡市は愛知県内の南部、渥美半島と知多半島に囲まれた三河湾に接する人口8万人弱の街である。約47kmの海岸線沿いには西浦温泉、三谷温泉、形原温泉、蒲郡温泉の4つの温泉地があり、ほかにもボートレース場やリゾート施設を持つ海辺の観光地である。織物・繊維ロープ工業が発展し、蒲郡みかんなど、フルーツ栽培にも特化している。
今回の発表では蒲郡市はMASCと連携し、2024年JAF全日本ラリー選手権を開催することを目指すとしている。そのため、蒲郡市としてはラリー開催を目指す組織「ラリー開催準備室」を2023年8月14日付けで企画政策課内に設置するという。
2023年1月に「目指せ! 日本のモンテカルロ」をテーマに、MASCと蒲郡市が開催したスカベンジャーラリー「パワステがまごおり」では、商業施設があり広い駐車場も完備する蒲郡市のラグーナ地区をベースにイベントが開催された。
勝田範彦選手らによるラリーカーのデモラン、蒲郡市内でポイント獲得しながら周遊するスカベンジャーラリー、さまざまな車両の展示を行った「はたらく車大集合!」などのコンテンツが行われ、約8000人の来場があったという。今回開催を目指す全日本ラリーでも同様にそのラグーナ地区を活用していくこととなるはずだ。
蒲郡市は周囲の山が、岡崎市、豊川市、西尾市、幸田町と、そのすべてほかの市町と隣接している。そのため、周囲の山間部を使用するとなると、ほかの市町との連携が必須となる。このあたりの調整も今後必要となっていくだろう。新城ラリー以上に盛り上がる、そんなラリーが誕生することを期待したい。