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スバルなのにポルシェデザイン!?「レガシィ ブリッツェン」は機能がフォルムを生んだエアロパーツが特徴でした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

「稲妻」の名を冠した日独コラボの限定レガシィ

スバル「レガシィ」は長い歴史のなかで数々の限定モデルが生み出されてきましたが、今なお人気の高いのが2000年から販売されていた「ブリッツェン(BLITZEN=ドイツ語で稲妻、電撃の意)」です。ドイツのポルシェデザインとスバルが異色のタッグを組んだ限定モデルを振り返ります。

イタルデザインやピニンファリーナと並ぶ工業デザインの名門、ポルシェデザイン

ポルシェデザインと聞いて、皆さんならどんなモノを思い浮かべるだろうか? 筆者はデザイン分野は広く浅くながら興味の対象であり、かつプロダクト、とくにガジェット系には(最近はめっきりリサーチが追いついていないが)目がないほうだから、ポルシェデザインというと反射的にIWC(国際捕鯨委員会ではなく、時計のほう)のチタン製のクロノグラフや、フィルム時代に当時のヤシカから登場した1眼レフカメラの最初のコンタックスRTSなどを思い出す。

ほかにmomoにポルシェデザインのステアリングホイールがあったり、LACIEから外付けポータブルHDDが発売されていたことがあり、これはMacでも使えるということで筆者もひとつだけ買った覚えがある。

プロダクトとしてはほかにも調理器具、ラウンジチェア、サングラス、ペン、アタッシェケース、NECの電話機など、イタルデザイン、ピニンファリーナなどと同様、幅広い分野のインダストリアル・デザインを手がけている。最近では2020年にポルシェ「パナメーラ」のインパネ上に備わるアナログ時計と同デザインのスポーツクロノを発売。それを知ったとき筆者などは、のどから手が出る思いだった。

ポルシェデザインは、1972年、フェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェがドイツ・シュトゥットガルトに設立。クルマのポルシェと同様に「機能すなわち形態美」を方針とするところから、同じドイツのバウハウスにも通じる、クールでシンプルな「作風」を特徴としている。

3代目レガシィB4をベースに2000年発売

そんなポルシェデザインをパートナーに誕生したのがブリッツェンだった。初出は1999年の第33回東京モーターショーで、当時の3代目「レガシィB4」(セダン、BE型)の「RSK」をベースに仕立てられたもの。ちなみに「ブリッツェン」の名はこのショーモデルのために付けられたもので、会場の展示車には市販車とは異なるブロック体で「BLITZEN」と書かれた化粧プレートが装着されていた。

名付け親は、当時のスバルのさるモーターショー関係者で「ポルシェ→ドイツ→稲妻とシンプルな発想で付けた」のだったそう。商標関係の問題がないことがわかり、そのまま市販車の車名として採用され2000年に発売された。

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