カタログも特別感あふれるデザインだった
実車は外観ではフロントグリル、前後バンパー、そして中央部を凹ませた独特な形状のリアスポイラー、それと17インチアルミホイールがポルシェデザインの専用品に(サイドシルはショーモデルとは異なるデザインだった)。リアドア以降のウインドウも濃色ガラスに。
インテリアでは選択仕様で本革シート、本革トリム、ソフトレザー縫製コンソール蓋にランバーサポートを備えたレザーパッケージが用意されたほか、SONYのカーオーディオ(MD+CDプレイヤー含む)を装備。そして機能面ではMT車にフロント・ヘリカルLSDが装着されていた。
筆者の手元にあった写真のカタログは2001年モデルで、このときにリアガーニッシュがボディ色となるGT-B E-tuneベースのツーリングワゴンも設定された(B4、ツーリングワゴン各1000台)。ツーリングワゴンは人気車種だったから、ブリッツェンは待たれての登場だった。
B4、ツーリングワゴンともに、搭載エンジンはEJ20型水平対向4気筒DOHC 16バルブ2ステージツインターボで、当時のスペックは最高出力260ps、最大トルク32.5kgm(いずれもネット)というものだった。カタログそのものは通常の綴じたものではなくファイル状のケースに中身は1枚ずつの厚紙を使ったもので、いかにも「特別感」を演出したものとなっていた。
4代目レガシィまで継続してブリッツェンがリリース
なおブリッツェンはその後も継続してリリースされた。ざっと振り返っておくと、2002年には前後バンパーデザインの小変更や6連星エンブレムの装着や、標準オーディオシステムの変更(ソニー→マッキントッシュ)、さらに3Lの水平対向6気筒を搭載したブリッツェン6もあった。2003年になるとイメージカラーがプレミアムシルバーとなり、内装にオレンジ/ブラックのコンビの本革(シート、トリム)が採用されるなどした。
さらに2003年にレガシィが4代目BL/BP型へとフルモデルチェンジ、それから3年が経った2005年に、B4 2.0GTをベースに「ブリッツェン2005モデル」が期間限定として登場。追って2006年になるとツーリングワゴン版が設定され、、セダンもベース車がB4 2.0GT spec.Bに改められた。このモデルが市販車では最終となり、2015年の東京オートサロンでは、6代目レガシィB4をベースに、歴代ブリッツェンをモチーフにしたクルマが登場するも、このモデルは残念ながらコンセプトカーであり、市販化には至らなかった。
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今でも初代ブリッツェンのツーリングワゴンやB4を街中でときおり見かけるが、姿を見ると、鮮やかなプレミアムレッドのボディ色、ポルシェデザインの力強い佇まいに思わず引き寄せられる。走らせることへの心意気が熱かった時代を象徴するクルマだった。