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納車わずか3週間でエンジンブロー! ホンダ「シビック タイプR」との波乱万丈ストーリーを激アツに語ります【交タイ自動車部】

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TEXT: WEB CARTOP編集部 井上悠大  PHOTO: 神村 聖

納車からわずか3週間の悲劇

浮かれているのも束の間。ローンの支払いすら始まっていない、納車からわずか3週間で悲劇がやってくる。それは「エンジンブロー」だ。1000キロも走ったか怪しい距離であった。あまりにも呆気ない終わり方に、乾いた笑いが出たのを今でもよく覚えている。あれは9月中旬、深夜の甲州街道沿いだった。

なお、断っておくが本当に普通に乗っていただけだ。ただ、納車時からタペット音のような異音が気になっていたので、その調整(修理)のためにこの週末に入庫予定だった矢先だったのだ。後日、購入先には「直したらまた見せに持っていきます」と事情を伝えたのだが、ここでまた奇跡が訪れ、中古エンジンでもよければ載せ替え工賃程度で直してくれるというのだった。

筆者は宝探し感覚で欲しいものが探せるという性質から、クルマに限らず中古品が大好きで、実際に中古カメラ店で数年アルバイトをしていたこともある。中古品は保証はあるにはあるが、現状渡しが暗黙の了解で、壊れても笑い飛ばせる精神が必要だ。とくにクルマともなれば使用経歴は謎であることが多いし、パーツ点数も消耗品の数も半端ではない。なので、個人的には「中古車=現状渡し」は当たり前の世界だと思っている。クレームなんて入れる気は微塵もない。ましてやエンジンの内部なんてわかるわけないのだから。

この常識外れとも言える店の提案には正直度肝を抜かれた。どうやら「開業以来そんな話聞いたことがないし、売ったこちらも後味悪いからなんとかする」とのことだったそうだ。このときはお言葉に甘えさせていただき、2カ月後にわがEK9は元気に復活した。このEK9を所有してこの夏で丸5年となるのだが、印象的なエピソードはこの探す段階からエンジンブローからの復活までが1番色濃かったと思う。

今の人生があるのはこのクルマのおかげ

もう1つ挙げるとするならば、今の自分があるのもこのクルマのおかげかもしれない、ということだ。どういうことかと言うと、筆者は写真を趣味からはじめ、いつしか仕事としてやっていこうと考えていた。撮っているだけでは難しいので、せっかくなら1人で取材して撮影もできるジャーナリストになろうという目標があった。そして、不幸か幸いかクルマオタクになってしまったので、せっかくならクルマの世界で働きたいと思っていたのだった。それが、EK9を買う少し前の筆者の脳内だ。

そこで、以前勤めていた会社からの転職を新卒から半年くらいで考えはじめていた。しかし狭い世界であるが故になかなか正攻法では難しいと言うのもわかっていた。せめて知り合いの1人や2人でも……と、思った矢先に見つけたのが、とある媒体が主催していた、プロカメラマンとライターがあなたの愛車を取材しますという「撮影&取材会」だった。「これに参加すれば繋がりが生まれるかもしれない!」と、筆者は思いついた。一か八かでこのイベントに参加して、チャンスを掴もうとしたのである。雑に言えばナンパされに行ったのだ。ナンパ待ちのお姉さんがスタイル抜群のボディを武器にするのであれば、こっちの武器はこのEK9だ。いざ勝負!

と、甘い考えで会場に1人突撃。そして会場に到着し、クルマから降りようとしたら、不幸なことに筆者のクルマの横に立つおっさんが1人現れる。正直このときは「いきなりオタクが寄ってきた……」と思ったのだが、またまたまた奇跡が起こる。このおっさんこそ、業界で働くライターの方であった! 聞くと、このイベントではなく、また後日改めてじっくり筆者を取材したいとのこと。あまりにも予想通りというか、出来すぎているので、何かの詐欺ではないかと疑うほどであったが、正真正銘のライターであった。

なお、今ではこの方にはWEB CARTOPで執筆して頂いているほどの関係となっている。その方の協力などもあって、現在筆者は交通タイムス社で、CARトップ編集部からWEB CARTOP編集部へと異動しつつ、クルマ業界で働いているというわけだ。これもこのシビックあってこそと思っている。

と、最初の半年ほどが非常に濃い内容であったが、それ以降はたまに取材を受けたりしてきたものの、小さなトラブルや故障などがあったくらいで、最初の半年ほど大きなイベントはなく、年間約1.5万キロ前後の距離を5年に渡って走ってきた。

とにかく、このEK9があったからこそ、今の人生があると言っても過言ではないほど。ただ「格好いい」「速い」「楽しい」だけでは片付かないほど、筆者にとって貴重な貴重なクルマとなっている。先述したイベント、じつは”2000年までに製造されたクルマだけ”しか参加できないイベントだったので、もしS2000(年式による)や2代目インテグラタイプRを買っていたら、今の自分はいなかったことにもある。このEK9は本当に奇跡の塊だ。

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