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アルファ ロメオ「トナーレ」のPHEVはジェントルに進化!?「アルファDNA」を「D」にすればじゃじゃ馬ぶりも楽しめます

アルファ ロメオ「トナーレ」のPHEVはジェントルに進化!?「アルファDNA」を「D」にすればじゃじゃ馬ぶりも楽しめます

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 神村 聖

時代の要請に応えてキャラ変した、新世代のアルファ ロメオ

アルファ ロメオDNAをデフォルト設定である「N」モードのままスタートすると、まずは128psの後輪用モーターのみでの走行となるせいか、比較的おっとりとした加速感。エンジンに火が入ったのちも、筆者のジュリエッタよりも明らかに澄んだサウンドを聞かせてくれるわりには、ジェントルな印象に終始する。

これは、トルクの出し方のセッティングが燃費およびCO2削減指向となっているうえに、マイルドハイブリッド版と比べるとリアの駆動モーターやバッテリーが追加された分、ウェイトが250kg増しの1880kgに達したことも影響を及ぼしているのは間違いあるまい。

そんなプレミアム志向のジェントルなキャラクター設定は、シャシーのセットアップにも反映されているようだ。235/40R20というハイトの薄いタイヤを履いているにもかかわらず乗り心地はとても良好で、ロードノイズやコツコツ感もうまく抑えられている。

ただし、ひとたびアルファ ロメオDNAのダイヤルを回して「D」モードを選択してしまえば、状況は一変。280psのPHEVシステム総出力は伊達ではないことを、前輪をバタつかせるほどの加速性能で主張してくる。

リアサスペンションは、おそらくテールの床下にバッテリーやモーターを置くことを念頭においたのか、ジュリエッタのマルチリンク式から、よりスペース効率に優れたストラット式を採用しているのだが、やはりロードホールディングではマルチリンクに分があるのだろう。車高および重心の高いSUVの特質に、姉貴分「ステルヴィオ」譲りのクイックなステアリングも相まって、Dモードでアクセルを踏み込むと、スタビリティに優れるはずの4WDながらかなりのじゃじゃ馬ぶりを見せるのだ。

この走りのキャラの変容ぶりは、アルファ ロメオDNAの「A」モードが純EVモードへと変更されたため、ガソリンエンジン併用の「N」モードが旧「オールウェザー」寄りに守備範囲を広げる必要性に迫られたこと。そして「D」モードが、生来の速さをことさら体現するようになったためと推測される。

筆者のごとく、時代に取り残されたアナクロ的愛好家が思うアルファ ロメオからはあらゆる面で一歩踏み出し、電動化を前提とした新世代のクルマへとシフトしたトナーレ。とくにQ4は、アルファ ロメオのPHEVの嚆矢であるとともに、名門の次世代を占う重要なモデルと考えるのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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