初日から順位は大きくシャッフル
アジアクロスカントリーラリー(AXCR)2023がついにスタートした。第28回目を数える今回のAXCRは、タイ・パッタヤーを2023年8月14日(月)に出発し、カンボジア国境近くを沿うように東へ移動。17日(木)にラオスに入国し、19日(土)にゴールを迎える。その総走行距離は2000km、そのうちの競技区間も1000kmを超えるクロスカントリーラリーとなる。スタート前夜には恒例のパッタヤーにあるウォーキングストリートでのセレモニアルスタートを切った全車だが、14日は早朝からSS1へ繰り出していく。
トップはいすゞD-MAX!
この日のSSは206.81kmの「SS1 Chacheongsao」。プランテーション(植物畑)などの間を縫って走るハイスピードセクションであったが、ルート上の1カ所で、狭いルートのうえ、ループという設定のコースがあり、そこで正面衝突の事故が起きてしまう。
幸い乗員に大きなケガはなかったものの、コースが完全にふさがれてしまい、出走順中盤以降で、大きくタイムロスという結果に。他にも各チームにトラブルが多く発生したことで、初日から順位は大きくシャッフルされることとなった。
初日トップは、いすゞ「D-MAX」を駆る強豪「ISUZU Suphan Sports」の2台、115号車のDitsapong Maneein/Athikij Srimongkhol組(3時間26分43秒/いすゞD-Max/Isuzu Suphan Explorer Liqui Moly Rally Team/T1D)、そして110号車のSuwat Limjirapinya/Prakob Chaothale(3時間34分47秒/いすゞD-Max/Isuzu Suphan Explorer Liqui Moly Rally Team/T1D)となった。
3番手に入ったのは111号車 Mana Pornsiricherd/Kittisak Klinchan組(3時間41分07秒/TOYOTA Hilux Revo/TOYOTA GAZOO RACING THAILAND/T1D)であった。
ラリーアートは20分のビハインド
今回新型「トライトン」を3台投入し、AXCR連覇を狙った三菱自動車ラリーアートチームは、最上位が6番手となる101号車Chayapon Yotha/Peerapong Sombutwong組(3時間47分27秒/MITSUBISHI Triton/Team MITSUBISHI RALLIART/T1D)。112号車の田口勝彦/保井隆宏組が8番手(4時間10分23秒)。
106号車のRifat Sungkar/Chupong Chaiwan組は、グリルに雑草が詰まってしまったことでエアコンが利かなくなり、脱水症状を起こしてしまい32番手と大きく出遅れた。三菱ラリーアートの増岡 浩監督は次のようにコメント。
「20分のビハインドをつけられてしまいましたがまだ初日です。気を取り直してしっかりやってもらうしかありません。3台そろってゴールできるよう、チームワークで乗り切ります」
青木拓磨も参戦するTOYOTA GAZOO Racing INDONESIAチームは、105号車 青木拓磨/Ittipon Simaraks/Songwut Danphiphattrankoon組がスタートから5kmほどで右フロントのドライブシャフトが抜けてしまい、FRでの走行を強いられることとなった。他にもエアインテークの外れなどのトラブルが出て大きくタイムロスしてしまう。
さらにサービスでの時間超過のペナルティを受け28番手に。103号車の塙 郁夫/染宮弘和組は燃料系のトラブルが発生。走っては止まるを繰り返すことに。昼のサービスで応急処置をしたものの、再スタートしてすぐに症状が再発してしまう。さらに悪化していくという状況で、残り50kmというところで、ついにエンジンがかからなくなって万事休す。けん引されてこの日の宿にたどり着いた。
AXCR2023、続く2日目(8月15日)は「SS2 Nakhon Ratchasima」。SSの走行距離は207.26kmだが、荒れた路面、そして岩が多く、クルマを壊す可能性も高いというコース設定だ。