カスタマイズの世界では現役当時から人気薄だった
スバル純血の軽自動車として最後まで生産が続けられた「サンバー」。本来の用途である実用貨物として、いまだに活躍する姿を見かけ、マニア層から今なお一定の人気を誇る。だが、カスタマイズの世界では現役当時から他車種と比べて人気が薄かった。そんなカスタム界では希少なサンバーでKING OF K-CAR Meetingに参加した“はっと”さんにお話を伺った。
数百台が参加するイベントでサンバーはわずか1台
ゆえに、マーケットにもパーツが少なく、このクルマをベースにするオーナーはごく少数派。とくにお膝元の群馬県太田市から離れた関西以西ではレアな存在だ。もちろん、生産中止から10年以上が経過していることも大きな要因のひとつではあるだろう。
数百台が参加する日本最大級の軽自動車イベントであるKING OF K-CAR Meetingでもサンバー(バン)の参加はわずか1台。オーナーの“はっと”さんに話を聞いた。
「バンの前もトラックに乗っていたのですが、いい個体があるうちに手に入れておきたいという思いから、2年前にバンへ乗り換えました。本当はスーパーチャージャーが欲しかったのですが、高くて断念したんです」
サンバーは希少車種の仲間入りをしており、スーパーチャージャー付きの高年式で低走行車は、新車価格並みの100万円を超える値段で取引されている情況だ。カスタムについてはどうだろうか?
ちょっとした工夫でノーマルのイメージがスポーティに刷新
「専用部品はかなり少ないですね。エアロパーツなどはほぼ皆無で、その他も違う車種用を加工流用したり、ワンオフも必要。最近、ライト関連は汎用のLEDなどが豊富で、上手に使えば印象は変えられます」
“はっと”さんのサンバーはちょっとした工夫でノーマルのイメージを刷新している。バンパーはワゴンのディアス用に交換し、グリルの一部をブラックに塗装。ヘッドライトは内部をブラックアウトし、ポジションとウインカーの位置を入れ替えたうえですべてをLED化して引き締まった印象にリメイクしている。
サイドビューはウインドウの上下位置に合わせて、各ピラーをラバーペイントでブラックに塗装した。こうすることで後方までデザインの連動性が高められ、商用車感を払拭できる効果が生まれる。これは最近のハイト軽のカスタムに見られる手法だ。
リアビューはコンビランプのLED化と太目のマフラーカッターでスポーティさを強調する。ランプ類以外は色味を抑え、シンプルでクリーンにまとめ上げた。ホイールはビジュアルに惚れたBBSのメッシュだが、入手したのは5穴の7.5J。そのままでは装着できないので、4穴化を行った上で、リムを輪切りして6.5Jに短縮。手間暇をかけて装着している。
一度乗ったら虜になる。だから、サンバーでカスタムし続ける
内装は一見、水中花のシフトノブに交換しただけに見える。だが、じつは純正のシフトノブには4WD切り替えスイッチが内臓されているため、手間暇かけてダッシュボードに移設。リアシートはリクライニング機構付きのディアス用に交換し、快適性をアップさせた。これはサンバーバンオーナーのなかでは定番のカスタマイズだ。
「サンバーは雪道にも強く、静粛性も高く実用車として優れており、1度乗ったらほかには浮気できませんね。それが乗り続ける一番の理由です。カスタマイズは止められないので、これからも手を加えていきます。あれこれ考えている時間も楽しいんですよ」
一度乗ったら虜になる軽バン。アフターパーツが少ないにもかかわらず、サンバーを愛し続ける“はっと”さん。これからもサンバーでカスタムライフを楽しんでほしい!