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割安なポルシェ991後期型「911GT3」の状態はいかに? 還暦前オヤジの「なめるように見る」吟味編【役物911長期レポ】

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TEXT: 為出 元基(TAMEIDE Motoki)  PHOTO: 為出 元基

素っ気ないレーシーな雰囲気は嫌いじゃない

内装はいたって素っ気ないものだ。標準のブラックの合皮=レザレット仕様で、メーターもノーマルだ。色気のある飾りといえば、アルカンターラのハンドルやドアアーム、それとアルミ(アンスラサイト)のトリムの組み合わせくらい。ちょっとチープである。昭和風に言えば、「無駄を省いた男の仕事場」。個人的には、このシンプルで素っ気ない感じは嫌いじゃない。ちなみにサンバイザーも合皮で、防音材が省かれているだけに戻すとバタンと天井が響く。ほとんど働く軽トラと同じ響きである。

車内はクラブスポーツ仕様なので、CFRP製のスポーツバケットシートと後部座席にはジャングルジムのごとくボルト固定式ロールケージが備わる。シュロス製6点式シートベルトははじめからシートに装着されていた。消火器は箱に入ったままである。これまでクラブスポーツ仕様の物件を見ていると、6点式シートベルトも箱入り状態の物件が多かったが、装着しているということは、サーキットを走っていたのかもしれない。

ともかく雰囲気はめっちゃレーシーである。レーシングな香り好きとしては、心躍らないといえばウソになる。が、ロールケージが邪魔して荷物が積めないのはどうにも気になるのであった……。

トラウマを乗り越えて! 買えるならコイツにしよう!

恋は盲目状態に陥っていたが、なんとか冷静になって見ていくと、ロールケージに加えていささか抵抗を感じたのは、色の組み合わせだ。煌めきあるジェットブラックのボディカラーはステキに映ったのだが(夏は暑そう)、ブラックのホイールとの組み合わせがどうもイカン。ド派手な羽根に全身真っ黒である。コワモテすぎ、ワルそうな雰囲気ムンムン。理想としていたクレヨンカラーのおしゃれさとは程遠い存在である。ちょいワルなおっさん風になること必至だろう(それもアリか?)。

それに、欧州でも黒づくめのクルマはその筋の人の印象がある、と以前ロンドンの知人から聞いたことがあるし、余談だが、実家なんぞにこれで乗りつけた日には「恥ずかしいからこんなクルマで来るな」とおふくろに言われること間違いなしだ。なんせ、「ユーノス ロードスター」(NA)にリアスポイラーをつけたときも黒いアウディ「RS6アバント」(C6)に乗っていたときも、まず「下品だ」という扱いを受けている。亡父の日記にも「息子のクルマには閉口。無駄金遣い」と記載されていたくらいである(笑)。

たぶん色や嗜好のことだけではないのだが、親の心子知らず、子の心親知らずとはいえ、トラウマですな。まあ、実家のことはさておき、せめてホイールはシルバーだったらいいのになぁと思う次第……。

もっとも、選択などできる身分ではない。あの大乗フェラーリ教で知られるジャーナリストの清水草一さんも「自分にあわせてフェラーリを買うのではなく、フェラーリに自分をあわせて買う」とどこかで書かれていたが、私にとってGT3はまさにフェラーリ同様と考えるに至っている。イチキュッパの値段には相変わらずビビるし、家人から非難を浴びること間違いなしだろうが、私にはもうこれしかない。買えるなら、こいつにしよう! と決めたのだった。

* * *

アラカンのおっさんがようやくたどり着いた羽根付き911は、求める理想とは異なるジェットブラックの2018年式クラブスポーツ仕様。決めたはいいが、どうやって買う? ほんとに手にすることができるのか?

■「役物911長期レポ」連載記事一覧はこちら

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