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「トランスポーター仕様」に「サウナ仕様」も!? フィアット「デュカト」には夢がたくさん詰まっていました【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: AMW 米澤 徹

見た目とは裏腹に乗りやすい

いざ試乗へ! ATセレクターをDに入れ、ブレーキをリリースしつつアクセルを踏むと、力強く路面を蹴り、加速をする。当初は見た目からして、少々かったるいのでは……と思っていたが、全くそんなことはなかった。

2184cc直列4気筒エンジンは最高出力180ps/3500rpm、ディーゼルだけに最大トルク450Nmは1500rpmから発生するため、強く踏み込むと驚くまでに加速をしていく。

ドライブモードスイッチは、エコ/ノーマル/パワーの3種類が用意されている。今回は空荷で移動しているため、きちんとした比較ができないが、エコモードでも十分な加速が得られた。もし機会があれば積載をした状態で運転をしてみたいとすら思えた。ちなみに、運転をしてしまえば不安要素の高さ以外は気にならなかった。

ボディがフレアしているわけではないので、両サイドのミラーで車幅だけ意識すれば問題ない。ストップ&ゴーが続く都内ならアイドリングストップが少々気になるくらいだが、コーナーリングは意外にも縦横比がいいからか「楽しいかも……」とすら感じ、いつのまにか笑顔で運転していたのは、自分がイタリア車びいきだからかもしれない。

なお安全装備は、レーンキーピングアシスト、フォーワードコリジョンワーニング(前面衝突警報)、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付)、ブラインドスポットアシスト、リアクロスパスディテクション(RCPD)、トラフィックサインレコグニション(TSR)、ドライバーアテンションアラート、リアパーキングセンサー、リアパーキングカメラ、ヒルディセントコントロール(下り坂での走行を補助するシステム)といったように十分に充実している。

とはいえ、気になる部分もあった。ルームミラーはルーフ部分後端に設置されたカメラに接続された、デジタルリアビュールームミラーになっている。細かい部分ではあるが、このカメラのセッティング、設置位置の高さゆえ下の方の死角が大きめで、アングルをやや下向きにしないと後ろにビタ付けされたクルマやバイクに気が付かない状態もありうるので、注意が必要だ。

試乗を終えて、自分が感じていた以上に乗りやすく、(高さ以外は)気を使うことがないという事実がわかり、乗ってみないとわからないとあらためて痛感した。もし気になる方は、可能ならぜひご自身の住んでいる環境で試乗してみてほしい。

もしもモディファイをするなら……

デスクに戻り、この原稿を書いているがいまもデュカトが気になって仕方がない。もしも自分が所有するならどんなモディファイをしようか妄想が膨らんでいる。例えばエクステリアは、前半で触れたランチアマルティニレーシングカラーにするのもよし、信頼のおけるトランスポーター的な雰囲気が出る。

もしかすると小さなクラシックカーなら入るかも! と思い、荷室寸法を調べてみると、室内長は2960mm×室内幅2000mm×室内高1970mmと、サイズで言えばフィアット500(2代目)の全長は2979mmなので入らない。

ならばトランスポーターとして使用するというよりは、レーシングカートやオートバイを載せたサポートカーとして使用するのが良さそうだ。またクラシックラリーのサポートカーとして予備部品や工具を積んで移動するのもアリかもしれない……。

じつは上記がプラン1。もうひとつ考えているのが、サウナカーとしての利用だ。

ここ数年のアウトドアブームとサウナの相性が抜群で、テントサウナが流行っているが、じつはサウナカーもキャンピングカーイベントなどで見かけるようになってきた。主なベースは軽トラックやトヨタ「ハイエース」、日産「キャラバン」といったワンボックスだが、あえてデュカトの広大なスペースを利用するのはどうだろうか。

前述の通り、動力性能に不満がないため、山奥にある冷水を求めて向かった場所の急な勾配に直面しても、450Nmのトルクの太さがあればへっちゃら! たとえ長距離でも疲労度が少ないシートに身を預け移動することができるデュカトならではのアイデアではないだろうか。

屋根には煙突用の穴と、給気と排気の穴を設け、室内は全面ヒノキ貼り、サウナストーブはコンパクトでありながらロウリュができるMOKI製のMS30かHARVIA製のM3でカラダをじっくり温め、川でクールダウン。フィンランドのサウナ文化に極めて近い楽しみ方ができる。

もっとも車両価格512万5000円(消費税込)+サウナ仕様にする改造費がいくらかかるかが問題ではあるが……。

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  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • 1991年生まれの秋田県出身。15歳のときに上京し勉学に勤しむも、高校生時代から東京都内をカメラ片手に自転車に乗って、神出鬼没、車屋巡りをする日々を送る。社会人になり、その時に出入りしていた趣味系自動車雑誌の元編集局長に呼ばれ、交通タイムス社に入社、現在に至る。イタリア車が趣味の中核ではあるものの、クルマに関連する本やミニカーを集めまくる根っからの収集癖おさまらず……。古書書籍、ミニカー、これらの山の中で生活を続けている編集者。
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