1963年に登場した本格派の軽商用バン、スバル360カスタム
埼玉県のアリオ上尾で2023年5月21日に開催された、「昭和平成軽自動車大展示会」。その名の通り軽モデルを中心に、約300台ものさまざまなモデルが集合した。今回は、1958年に発売された富士重工の軽「スバル360」に1963年追加された商用バン仕様、「スバル360カスタム」で参加していた親子に話を聞いてみた。
商用車が好きでセダンからカスタムに乗り換え
14年ほど前に購入したという「スバル360カスタム」でイベントに参加していた、“さんりん”さん。
「前は普通のてんとう虫(スバル360)に乗ってたんですけどちょっと調子を崩しちゃってて、乗り換えようかと思ったときにちょうどお店にあったんで。商用車が好きだったので、これにしました。この他に、マツダのK300も所有しています。当時も360カスタムの台数は少なかったんですけど、まだまだギリギリ庶民でも手が届く値段でした」
購入当初は年に1、2回トラブルが出たそうだが、現在はすでに出しきった状態で大きなトラブルなどは無いという。
「この子はホントにいい子です。あとはボディをやりたいぐらいですね。バッテリーの下がやっぱり腐食しちゃうので。久しぶりのイベント参加でたまに日光の下にでると粗がでますね。こんなところにもが穴開いてる、みたいな。ただ商用車だと、それがなんだかギリギリ中和されるという。それで逃げてるっていうのもあるかもしれないですけど(笑)」
使い勝手の良さが魅力
こういったイベントなどの参加のほかに普段の買い物にも使っているというスバル360カスタムの魅力と、今後の展望をオーナーに聞いてみた。
「セダン(スバル360)に比べて荷物が積めるところと、その荷物を積みっぱなしでいいっていうのも魅力ですね。これは商業車なので前後ともセダンよりブレーキが利く感じです。あとは減速比がちょっと違うくらいでエンジンも同じだし、乗り換えても違和感なかったですね。今後はボディもやりたいですけど、部品を確保してこの状態で維持できれば、あとは下の子に継げれるのでいいかなと」
いずれは2ストの音が好きな息子さんの手に
下の子というのは、このイベントにも一緒に参加していた息子さん。その息子さんに話を伺ってみると、なんとも360カスタム愛にあふれるコメントを聞くことができた。
「大好きです。例えばバンはセダンと違って、後ろにちょっとゆったり座れることと、四角いところも好きですね。あとは2ストのエンジン音とかも大好きです。エンジン音を聞いているとリラックスできるんです。後席が倒れるのもカスタムだけです。セダンもですけどルーフもFRPでスバルの人たちが軽量化を目指していろんなところを手にいれているんです」
物心つく前から家にあるクルマで、幼い頃から興味を持って本などで調べているという息子さん。お父さんと同じ商用車好きで、現在15歳。あと3年ほどで免許を取れるので、このクルマを運転するのを楽しみにしているそうだ。こんな息子さんがいれば、“さんりん”さんも維持のためのメンテナンスに力が入るというものだろう。