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エンジンだけで1000万円オーバー!!「エンツォ フェラーリ」に「ポルシェ」までV12が断然高額でした

5万6400ドル(邦貨換算約818万円)で落札されたフェラーリV12エンジン テーブル

エンジン本体は安値で取引されている?

毎年8月中旬に、世界中から熱狂的なカーマニアを迎えるカリフォルニアのモントレー・カー・ウイーク。そこでは昼間にはいくつものイベントが開催されるが、夜にはさまざまなオークショネアが、トータルな目で見れば世界最大の規模でのオークションを開催。こちらもカーマニアには見逃せないイベントとなっている。

今回は4基のエンジンが出品

2023年の「モントレー・オークション」で、RMサザビーズ社がまずオープン直後のロットに揃えたのは、4基のエンジンだった。まず順番にその出品モデルを紹介すると、フェラーリの6.3L V型12気筒エンジンをベースに製作されたガラストップのテーブル、ポルシェがインディカーレース用に開発したタイプV型8気筒エンジン、フェラーリのF1用ティーポ053エンジンをディスプレイ用にカットし、スタンドにディスプレイしたショーエンジン。そしてエンツォ フェラーリのエンジン単体といったラインアップだった。ちなみにRMサザビーズは、エンツォ・フェラーリのエンジンに15万〜25万ドル(邦貨換算約2175〜3625万円)のエスティメート(予想落札価格)を掲げており、オークションの行方は大いに注目された。

フェラーリV12エンジン テーブル

フェラーリのV型12気筒エンジンを素材として用いたガラストップテーブルは、スタンドとエグゾースト・マニフォールドが専用に製作されたもの。フェラーリのオーナーやファンには、いかにも心が刺激されるアイテムだ。円形のガラストップはその直径が2m。高さは81cm、102cm、112cmと3段階に設定することができる。ダイニングテーブルとしても、またバーテーブルとしても、その用途は十分に広く、また趣味性も高いということが評価されたのだろう。最終的な落札価格は5万6400ドル(邦貨換算約818万円)という結果になった。

ポルシェ タイプ 2708 インディ V8エンジン

続いて登場したポルシェのタイプ2708型エンジンは、1988年にポルシェがインディカーレースに初参戦するためにシャシーとともに初開発した2.65LのV型8気筒ユニット。最高出力は750ps、最大トルクは465Nmを発揮したとされるが、残念ながら参戦初年の結果は思わしくなく、RMサザビーズによれば、その後最高出力は800psにまで向上したと解説されている。

1989年シーズンは、シャシーはマーチ89Pに、翌1990年はマーチ90Pとの組み合わせとなった。今回のオークションでの落札価格は2万1600ドル(邦貨換算約313万円)。RMサザビーズは8万〜10万ドルの予想落札価格を掲げていたが、最低落札価格の設定がなかったこのオークションでは、驚くほどの安値で売買が成立したということになる。

フェラーリ Tipo 053 F1 V10ショーエンジン

ならば8万〜12万ドル(邦貨換算約1160〜1740万円)の予想落札価格を見込んでいた、フェラーリのF1用V型10気筒エンジン、ティーポ053はどうか。こちらもF1の世界では、ミハエル・シューマッハやルーベンス・バリチェロなどによって使用され、フェラーリをワールドチャンピオンに導くことに大きく貢献したエンジンだ。

すでにディスプレイ用にエアボックスがカットされるなど、完全に観賞用の商品となっているのが、落札価格が今ひとつ伸びなかった直接の理由となった。参考までにその数字は2万5200ドル(邦貨換算約365万円)で止まった。

フェラーリ エンツォ エンジン

一方15万~25万ドル(邦貨換算約2175~3625万円)の予想落札価格で出品された、エンツォ フェラーリのエンジンは、こちらもRMサザビーズの予想には届かなかったものの、7万8000ドル(邦貨換算約1131万円)という価格での落札となった。

67299のエンジンナンバーを持つ、F140B型エンジンは、フェラーリにとって象徴的なエンジンのひとつであるし、それをスペアエンジンとして活用することも、またエンスージアストのコレクションとして使用することも可能。参考までにエンツォの生産台数はジャスト400台。最高出力の660psは、デビューから20年以上を経てもなお、その魅力を失うことはない。

オートオークションといっても、出品アイテムは自動車ばかりではない。カタログを見れば、これらのエンジンよりもはるかに安く、手頃に入札できるアイテムが多く出品されているのが分かるだろう。

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