タンデム2人乗りのドイツ製マイクロカー
埼玉県のアリオ上尾で2023年5月21日に開催された、「昭和平成軽自動車大展示会」。その名の通り軽モデルを中心に、約300台ものさまざまなモデルが集合した。今回は、「バブルカー」とも呼ばれるドイツ製の超コンパクトな3輪車「メッサーシュミット」のオーナーに話を聞いてみた。これ、日本での登録は軽3輪(オート3輪)扱いなのだそうだ。
メッサーシュミットが初めての旧車
この1960年式「メッサーシュミットKR200」のオーナーは、加茂川正洋さん。
「メッサーシュミットのレストアを始めるっていう人がいて、仕上がったら誰かに譲るつもりだっていう話を仲間のつながりで聞いたんです。そこですぐに見に行って、じゃあレストア終わったらお願いねって予約をしました」
加茂川さんのメッサーシュミットKR200は、2ストローク単気筒191ccエンジン(最高出力9.7ps)をリアに搭載したフロント2輪+リア1輪の3輪モデルだ。もともとはカブリオレ仕様(アクリルドーム仕様も存在)だったそうだが、アフターマーケット製のFRPトップが装着されている。
ちなみに加茂川さん、このメッサーシュミットが初めての旧車なのだそうだ。
「存在は昔から知っていて、これかイセッタが欲しいなとは思ってたんです。高速道路を走れるゴーカートっていう感じです。大きなバイクにも乗っていたんですけど、こっちのが楽しくてほとんど乗らなくなってしまいました」
高速道路も安心!?
念願のメッサーシュミットを手に入れた加茂川さん、ロングのツーリングも行い高速道路も走行しているそうだ。この小さな車体で高速道路を走行と聞くとと、ちょっと怖い感じもするが実際のところはどうなのだろうか。
「直進安定性もわりと良くて、いいスピードでカーブも曲がってきますし、後ろが流れることもないですね。後が跳ねちゃうって話はよく聞きますし、実際バネを追加している方もいらっしゃいますけど、自分はあんまり感じたことがないです。燃費もリッター25kmくらい走りますし、遠出しても大して経費がかからないのもいいですね。仲間うちからはこれで高速自走はやめろ、って言われますけど(笑)」
奥さまも一緒に乗ることが多いそうで、その乗り心地は意外にも(?)好評なのだという。
「楽しい、って言ってます。前よりも後ろの方が乗り心地がいいみたいです。後ろで寝てますからね。ただ背中はやっぱ熱くなるみたいです。なんたってエンジンがすぐ後ろですから」
メンテナンスも自らの手で
知り合いからレストア終了後に譲ってもらったため、大きなトラブルはないが、各部の調整などは自分で行っている加茂川さん。エンジンも30分もあれば自身で降ろせるそうだ。
「作りが簡単だから、自分で面倒を見られるんですよ。距離を走ってダメになるのは発電のブラシくらいで、あとはブレーキのワイヤーの調整するくらい。車検も自分で持ち込んでいるし、登録が軽3輪なんで車庫証明もいらないなど、維持費がかからないのも魅力ですね。もちろん一番の魅力は、この顔とスタイルですけど」