内燃エンジンのスポーツカーを超えた走り
駆動面については、アクティブ・サスペンションを採用している。可動型リア・アクスルやエア・サスペンションなどのアクティブ・シャシーによって、ランザドールはあらゆる路面状況に合わせた最適な走りを実現した。またドライバー自身の調整により、前回設定したスタイルで走行することもでき、走りの選択権はドライバーに委ねられる。さらに、2基のモーターによる左右で異なるトルク配分や、ホイールスピード・コントロールによって、内燃エンジン搭載のスーパースポーツカーと比べても新たなレベルに達し、比類なき走行体験を享受できるという。
ランボルギーニが唯一無二の存在であり続けるデザインワーク
エクステリアは宇宙船から発想を得たというだけあって、大胆で意外性がある。引き締まった美しいラインは、「セストエレメント」や「ムルシエラゴ」、「カウンタックLPI800-4」といった伝説的モデルを継承した真のランボルギーニにふさわしく、緊張感みなぎるスタイルに仕上がっている。全高は約1.5mでありながらも、地を這うような低プロポーションなスタイルがいかにもランボルギーニらしい。
ショートノーズのボンネットの下にはトランクが隠されていて、大型のガラス製テールゲートは大きく開く仕様。後部座席は調整可能でリアのラゲッジ・ルームは可変式になっているなど、ショッピングやスポーツ、趣味といった日常の足として使ったとしても、荷物の収納に困ることはなさそうだ。
エクステリアと同様に宇宙船から着想を得たインテリアは、「ウラカン・ステラート」からもインスピレーションを受けたもので、Y字のセンター・コンソール・ブリッジがまるでジェット機のコクピットを思わせるつくりだ。そのドライビング・ポジションに収まると、スタート直前のレーサーさながらにドライバーの気分も昂るに違いない。また、創業当初からランボルギーニのデザインを特徴づけるY字型や六角形といったアイコニックなデザイン要素は、室内に限らずリアのライトなど随所に取り入れられている。
ランザドールは未来戦略の一環であり、「走行研究」だった
ランボルギーニは長年、持続可能な生産とCO2の削減にフォーカスしてきた。その結果、サステナブルレザーや再生カーボン、再生プラスチックといったサステナブルな素材を本コンセプトカーでも多用する。さらなる未来戦略の一環としては、2024年までにすべての製品領域での電動化を予定している。つまり、このモデルはサステナブルな未来に向けたランボルギーニの「走行研究」でもあるというわけだ。もちろん市販モデルであり、2028年からデリバリーされる予定。このランザドールが示すのは、ランボルギーニが向かう未来への答えでもある。
この新しいコンセプトモデル・シリーズとともに、今後ランボルギーニからはハイブリッドエンジンを搭載したスーパースポーツカーや、プラグイン・ハイブリッドの次世代ウルスといった、新時代の革新的なモデルが投入されていくことになるだろう。