メリハリ、凹凸にこだわって徹底的に「悪(ワル)」を追求
他にはないフォルムに仕上げるために必要不可欠なのが立体造形だ。その製作に際しては、発砲ウレタンを駆使している。デザインにおいてこだわったのは、「悪(ワル)」な印象を与えるためのメリハリの付け方だった。走行中のエアの流れをイメージしたフォルムで、見た目からも風を感じるような立体的なデザインを意識した。さらにそこから、より過激なものを追求していった結果、ボディ表面の凹凸の変化やその落差が引き立つようにアレンジを加えていった。
また、最終的に鋭い顔つきで「悪人顔(バッドフェイス)」になるよう、ヘッドライトまでフルリメイクして徹底的に作り込んだ。ライトを覆い隠すように装着されているライトジャケットは、ショーモデル用として製作されたもので、その見た目で圧倒的な存在感を放っているのはもちろん、極悪な雰囲気を漂わせている。
ショップと手を組み、オーナー自らプロデュースしてボディを完成させる徹底ぶり
リアバンパーは、純正モデルに比べて約15cmほど延長加工されている。特殊形状のマフラーは、センターのサブタイコを上下にデュアル化させた斬新なデザインで、さらに左右4本出しという凝りようだ。さらに縦に並んだ排気口がただならぬ空気感をまとっていて、カーボンのマフラーエンドと相まって極上の悪を演出している。また、トランクにマウントされているシャープな形状のリアウイングがフロントフェイスとの統一感につながり、極悪なスタイルを引き立てている。
この超個性的なボディの製作にあたっては、高田さんがプロデュースするかたちで、埼玉県にあるカスタム専門ショップ「DIMENSION FACTORY(ディメンションファクトリー)」とタッグを組んで完成させたものだ。ボディ外寸についても検討を重ねた結果、オーバーフェンダーはフロント片側8cm、リア片側10cmほど外に張り出るようにし、ワイド&ローのバッドスタイルが完成したというわけだ。
内装については、これから作り込む予定で完成途上とのこと。ただ、現在のままでも充分凝っていて、明るいベージュ生地をベースにして一部に茶系アルカンターラを使用したコーディネイトとなっていた。外装とは一転して、大人の雰囲気を醸し出す落ち着いた内装が対照的で、そういった二面性を持ち合わせているところもまたこのクルマの魅力のひとつと言えるだろう。