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ボディ外板に植物由来のコンポジットを採用! 見た目も変わった参戦2年目の「ウルト ハイラックス」がトップ10入り

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

ボディ外板に天然素材のコンポジットを使用

135号車は、トヨタ「ハイラックス」をベースとして仕立てられたTRDが手掛けたTRDハイラックスMSBである。2022年も同様にウルトカラーの一台と、もう一台、オートバックスカラーのハイラックスが参戦したが、どちらも同じくボディ外板に天然素材のコンポジットを使用することとなった。

2台そろって同じ素材を使用しているが、135号車はより素材をアピールしたいということで、あえて素材がわかるようなクリア仕上げとし、2022年の黒いボディカラーと比較すると、朽葉色という感じになっている。

ちなみに、ボディカラーは、スイスB Comp社が提供する素材そのものの色で、B Compと新田選手のトラスと共同で開発中のもの。さまざまな仕様のものを試しているが、この外板には間にカーボン(CFRP)を挟んだパネルが使われている。2回目の参戦だったが、カーボンに割れがなく、ラリー競技として利用するのはありだと感じたようだ。

新田選手は次のようにコメント。

「クルマの信頼性は2022年同様高いし、今回はタイヤをヨコハマ ジオランダーに変更したけれど、これも信頼性が高い。今回のSSではタイヤをヒットさせてバーストさせたことがあったがその1本だけ。それ以外はトラブルなく、すべてにおいて安全性が高く、このタイヤに助けられ、依存するところも多かった」

まだまだ(アクセルを)踏んでいけるよというエンジニアからのアドバイスを受けながら、このラリーウィーク中も「日々スキルアップしている」と語っていた。

TRDではユーザーのリクエストに応えて車両を仕上げ、さらに車両のサポートも行っており、TRDのスタッフと現地からTCD Asiaのスタッフも同行してカスタマーサポートに従事する。これについては、里中選手とともに、このサポートがあるため、選手は競技に集中できるし、しっかり身体を休めることができる、という。クルマのことはプロフェッショナルなチームに任せる。これも順位を上げる近道だという。里中選手も「エントラントとして競技に集中できるいい環境でした」と話す。

今回の参戦にあたり「ランクルの神様と呼ばれる人から走り方を教わった」と新田選手。

「AXCRで想定されるシチュエーションの走破法を教わりました。これまで怖くてアクセルを踏めなかったところを、どう踏んでいけばいいのかがわかり、前日でこの特訓が活きていました」

135号車は、初日19番手、2日目には15番手、3日目は11番手といった具合に大きなトラブルもなくコンスタントに成績を上げていく。そしてラオスに入った4日目には日本人ペア最上位となる8位でフィニッシュ。初日の前半がキャンセルとなったことで2日目から総合順位では15位につけていたが、ここで一気に10番手までポジションアップ。コース後半セクションがキャンセルとなった5日目は22番手、そして最終日も21番手としっかりと走り切った。そして6日間のSSを13時間35分45秒のタイムとなり、総合10位クラス9位でフィニッシュした。

#135 Würth TRD Hilux MSB Tras 135

この結果について、新田選手は「最高の出来だったし、しっかり楽しめた」とコメント。「この結果がわれわれの今後の挑戦にどうこうということではないですが……」と笑って答えていた。三菱ラリーアートチームやTOYOTA GAZOO Racingタイランドといったワークス勢、そしてTOYOTA GAZOO Racingインドネシアチームやいすゞスファンチームなど競合がひしめいているが、さらに上位を目指して次回も参戦を予定している。

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