隠れたスポーツセダンだった
クイントの名前を捨てて、単に“インテグラ”となった2代目モデルは、コマーシャルにバックトゥザフューチャーでも知られるマイケル・J・フォックスを起用。「カッコインテグラ」というワードも話題を集めたことを記憶している人も多いことだろう。
VTECエンジンを搭載
2代目となった「インテグラ」は全体のシルエットこそ初代のイメージを踏襲していたが、リトラクタブルヘッドライトを廃止して固定ライトとしたほか、プラットフォームも一新。足まわりは1990年代のホンダ車の特徴のひとつともなった4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションとなった。
ボディタイプは先代にもあった3ドアハッチバッククーペがまず先行して販売され、およそ1カ月遅れで4ドアセダンも追加されたが、こちらは先代とは異なりサッシュレスドアを採用した4ドアハードトップとなり、よりスペシャリティなモデルになったことをアピールしていた。
そんな2代目インテグラの最大の特徴は、やはり何といっても世界初の可変バルブタイミング・リフト機構を採用した新開発DOHC VTECエンジンを搭載したことだろう。
4ドアセダンモデルにも設定されていた
1.6Lの排気量ながら160psを発生するB16A型エンジンは、NAながらリッター100馬力を達成したエンジンとして多くのファンを獲得し、ホンダ=VTECのイメージを植え付けた立役者とも言える。B16Aエンジンと言うとシビックのイメージが強いかもしれないが、初めて搭載したのはこの2代目インテグラだったのだ。
なおVTECエンジンを搭載したホットグレードは3ドアクーペのイメージが強いかもしれないが、実は4ドアセダンモデルにも設定されており、隠れたスポーツセダンともなっていた。
VTEC以外のエンジンとしては初代モデルにも搭載されていた1.6LのZC型エンジンがラインアップされていたが、初代とは異なりSOHC仕様となっており、スポーティな走りはVTECエンジン搭載グレードに集約した感があった(1991年10月に4ドアにのみ1.8L DOHCエンジン搭載車を追加)。
北米地域では初代に引き続きアキュラブランドからリリースされ、3ドアクーペのほか4ドアセダンも新たに導入。当初は130psを発生する1.8Lエンジンのみのラインアップとなっていたが、1992年モデルからはVTECエンジンを搭載した「GS-R」グレードを追加している。
ただこのGS-Rには日本のものとは異なる、輸出専用の160psを発生する1.7LのB17A1型と呼ばれるエンジンが搭載されており、こちらはリッター100馬力には達していなかった。
今でこそ北米地域でもVTECエンジンの知名度は高くなっているが、当時はそこまでではなかったようで、GS-Rモデルはおよそ2年の販売期間で5000台弱しか販売されなかったようである。