遊び心を持った丹念な傑作
取り外し可能なハードトップは、ドロップテールに2つの異なる個性を与えている。ルーフを開けると、しなやかなオープントップのロードスター。ルーフを取り付けると、ドラマチックなクーペに変身する。
ルーフにはエレクトロクロミック・ガラスが組み込まれ、瞬時に表面の色や透明度を変化させることが可能だ。アメジスト ドロップテールの色調に合わせるために、作動していないときには、ほのかに淡いパープルがかかった完全な不透明ガラスになり、車両エクステリアのアメジスト・フィニッシュを映し出す。ボタンを押して作動させるとガラスは半透明になり、インテリア・スイートに使われたサンド・デューンのレザーのカラーに調和する色合いになる。この類まれな華やかさを実現するために、スペシャリストは完璧にマッチするガラスを見つけるまで、60回ものガラス着色を繰り返したという。
フェイシアには、スイスの有名な高級時計メゾン、ヴァシュロン・コンスタンタンにオーダーした唯一無二のタイムピース「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」が飾られ、時分針が瞬時に戻るバイ・レトログラード表示およびバイ・アクシアル・トゥールビヨンを装備。
インストゥルメント・ダイヤルは、アメジスト・カラーのインサートと、部分的にブラッシングとポリッシュの仕上げが施された時計針を兼ね備えている。このタイムピースは、ホワイトゴールドのベースプレートに手作業によるサンバースト・ギヨシェが施されている。
このドロップテールモデルの徹底した作りこみは依頼主のディテールへの情熱の証であり、また遊び心を持った丹念な傑作として、歴史的に偉大なロールス・ロイス車の列に加わることとなる。また、このような明確なビジョンを実現するのみならず、伝統と現代性、そして魂を見事に調和させるロールス・ロイスのポテンシャルの高さを象徴しているのが、アメジスト ドロップテールなのだ。