比較的長いモデルライフだった3代目
単に「インテグラ」のモデル名となってからは2代目、「クイント インテグラ」時代から数えれば3代目となるインテグラは1993年5月にまず3ドアハッチバックが登場。そしてそこからおよそ2カ月後の同年7月に4ドアハードトップが登場している。
シビックとのキャラクターの違いを明確にしていた
ボディタイプは先代と同じく3ドアハッチバッククーペと4ドアハードトップの2種類という点は変わっていないが、フロントマスクは三度変更され、3代目モデルは丸目4灯ヘッドライトを持つ個性的なものとなった。
ボディサイズは先代に引き続き5ナンバーサイズをキープしながらも、3ドアに至っては全長が短くなるなどサイズの肥大化を最小限に留めた。
その一方で、エンジンの主流は1.6Lから1.8Lに移行し、1.6Lモデルはエントリーモデル向けへと変更。リッター100馬力を誇ったDOHC VTECモデルも180psを発生するB18C型エンジンへと置き換えられ、「シビック」とのキャラクターの違いを明確にしている。
また4ドアハードトップモデルにはインテグラ史上唯一(執筆時点)の4WDモデルを設定し、実用的なセダンとしてインテグラを選ぶユーザーもターゲットとするラインアップとなっていた。
そんな3代目インテグラだが、その個性的な丸目4灯のフロントマスクが日本国内では激しく不評となり、登場からわずか2年ほどの1995年8月にフロントマスクを先代モデルに似た横長のヘッドライトに改めるマイナーチェンジを実行した。
ただ輸出仕様は丸目4灯のまま販売が続けられたほか、国内仕様も3ドアの「SiR・II」グレードのみは丸目4灯のまま1998年1月まで継続販売されている。なお、輸出仕様は丸目4灯のまま後期型へと意匠変更がなされているが、国内仕様のSiR・IIは最後まで前期顔のままとなっていた。
タイプRも追加された3代目インテグラ
そしてこのマイナーチェンジのタイミングで、NSXに続く第2弾のタイプRとして「インテグラタイプR」を3ドアクーペ、4ドアハードトップ両方に追加設定。
エンジンは1.8Lのまま、内部にまで手を加えて+20psの200psを達成。それに合わせてクロスミッションやヘリカルLSDを搭載し、足まわりも即サーキット走行が可能なレベルのものを純正採用していた。
ボディには補強をプラスして剛性を高めつつも、走りに直接関係のない部分などを中心に軽量化を並行して実施した点も特徴となっている。
1998年1月のマイナーチェンジ時にタイプRは更なる改良がなされ、ホイールのインチアップやタイヤ幅の拡大、ブレーキローターの大径化にステンレス製の4-1タイプ等長エキマニの装着、ギアレシオやECUの見直しなどでより戦闘力が高められていた。
ちなみに改良前のモデルを96スペック、改良後のモデルを98スペックと呼ぶことが多く、ピーキーな挙動の96スペックと安定志向の98スペックとも言われていた。
結局タイプR登場後はインテグラ=タイプRというイメージが生まれるほどとなり、遅れて登場したシビックタイプRとともにホンダのスポーツイメージをけん引するモデルとなった。なお、この3代目モデルは、2001年7月までと比較的長いモデルライフを過ごして4代目へとバトンタッチしている。