プレーンだが洒落たルックスはカスタムのベース車にも
もちろん何といっても魅力だったのは、愛着が持てそう……と思わせられるスタイルだった。前述のとおりウインドウが立てられた箱形スタイルは直線基調ながらカドを丸めることで親しみが感じられたし、サイドウインドウを6ライトとしリアに小さなノッチがついている(筆者は往年の「スズライトフロンテ」を連想していた)あたりは、実質重視の営業車のアルトとは違う乗用車的な趣きを醸し出していた。
またプレーンだが洒落たルックスはそのまま乗ってももちろんよかったが、シンプルさゆえ、グリルを変えたり巷でのドレスアップの素材車としての引きあいも多かったようだ。なおボディ色はペールトーンを中心とした単色9色と2トーン3色を設定。ルーフを白の2トーンにした瞬間にクラシックミニに見えるのは避けられないが、ビジネス上の判断では今も昔もOKということなのだろう。
後期型では丸目やターボ搭載車も登場
また2003年9月には「SS」(=ストリート・スポーツ)が登場した。このモデルはターボエンジンを搭載、5速フロアシフトのMT車も選べるモデルで、フロントにはバケットシートを装備、メーターや外観前後に赤いSSのエンブレム(リアはチェッカーマークとの組み合わせ)を装着。ラパンの主役はあくまでも標準車ではあるとは思うが、若い男子ユーザーのみならず昭和クルマ好きオジサン・ホイホイ的なクルマでもあった。
また後期型では丸型ヘッドランプ装着車やフロントグリルのパターンを違えた仕様なども設定された。言ってみれば普通の、肩肘張らずに乗れるコンパクトカーだった。