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F1マシン祭りだったドイツの博物館は、展示方法にもこだわりが。「ウィリアムズ」が天から駆け下りてくる展示スタイルは圧倒されます

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

ドイツの博物館で見かけたF1マシン事情

今回、2023年6月末から7月上旬にかけてのフランス取材では、マノワール自動車博物館が18台のマシンをメインとした展示エリアを新たに整備していたことを筆頭に、数々の自動車博物館においてF1GPマシンの展示が増えている状況を実感したのですが、それは7月末から8月中旬にかけてのドイツ取材でも同様……いやむしろ、感覚的にはそれ以上のものがありました。今回はドイツの博物館事情を紹介します。

天から駆け下りてくるF1GPマシンに感動したジンスハイム交通技術博物館

ドイツ取材行はミュンヘン空港でドイツ入りした後に、東方100km弱の近郊都市、アメラングにあるEFA自動車歴史館(旧EFAドイツのクルマ歴史博物館)からスタート。5年ぶりに訪れたフィフテルベルク・ドイツ自動車博物館はメインの展示ホールが大幅にリニューアルし、新しい展示ホールもオープンしていました。

初めて訪れたメルクス自動車博物館、ウォルフェッグ自動車博物館、シュテイム自動車コレクションでは、これが初対面のクルマも数多かったのですが、ここまでF1GPマシンは、シュテイム自動車コレクションに展示されていた2005年のトヨタTF105が1台きり。ドイツのマイナーなクルマたちが多く、もちろんそれはそれで十分に楽しめたのですが、華がないなぁと贅沢な悩みを抱え始めることに……。

そんな想いを吹き飛ばしてくれたのが、13年ぶりに訪れたジンスハイム交通技術博物館でした。以前に訪れたときにも20台近いF1GPマシンが展示されていたことは覚えていたのですが、今回は展示車両の台数が増えていただけでなく、展示スタイルを一新。別館のメイン展示としてフロア中央に立体的なスタイルの展示を展開していました。

展示車両も1950年代の現行F1GP黎明期に活躍したマセラティ250Fの1956年型や1972年のBRM P160、1978年のコパスカー・フィッティパルディ F5Aなど旧い時代のF1GPマシンが新たに登場。また以前から展示されていた1976年のティレルP34は、タイヤも取り外した状態でより立体的な展示とされ、前後のサスペンション、とくに小径のフロント4輪を連携させたサスペンション・システムの仕組みが、より分かりやすくなるよう工夫されていたのが印象的です。

マセラティ250F

新しいところでは1989年のマクラーレンMP4/5や1992年のダラーラ-BMS192、1994年のザウバーC13、1995年のベネトンB195、1996年のウィリアムズFW18、1997年のマクラーレンMP4-12、そして1998年のザウバーC17と2000年のザウバーC19、さらには2001年のウィリアムズFW23や2002年のジョーダンEJ12、同年のザウバーC21といった具合に、1980年代の終わりから2000年代初めにかけての収蔵車両が充実しています。なによりも、天からウィリアムズFW18に続いてウィリアムズFW18 、ジョーダン196が駆け下りてくる展示スタイルに圧倒されてしまいました。

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