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F1マシン祭りだったドイツの博物館は、展示方法にもこだわりが。「ウィリアムズ」が天から駆け下りてくる展示スタイルは圧倒されます

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

さまざまなF1GPマシンと遭遇

ジンスハイム交通技術博物館で、リニューアルによって誕生したF1GPマシンが大集合の展示スタイルに感動した反動、というわけでもないのですが、その姉妹博物館であるシュパイヤー自動車博物館では、ある意味、期待を裏切られることになりました。

誤解ないよう付け加えるなら、クルマ……ロードカーと消防車などの「働くクルマ」の収蔵展示は充実しているのですが、ことF1GPマシンに関しては台数が少なく、実際に展示されているのは2001年のザウバーC20が1台のみでした。ということでF1GPマシンは見たいけどロードカーや「働くクルマ」には興味がない、という向きには、21ユーロ(本稿執筆時点での邦貨換算で約4870円)の入館料は高すぎてお薦めできません。もっとも、ザウバーが展示されているのは入場ゲートの手前なので、駐車料金5ユーロ(同じく約786円)を払ってザウバーをじっくり観察、参考書籍やお土産を手に入れて立ち去る、というのはありかもしれません。

それはともかく、シュパイヤー自動車博物館の後も、F1GPマシンとは縁のない自動車博物館詣が続きました。しかし週末のヒストリックカーによる一大イベント、クラシックデイズの中日に出かけたケルンでは、ドイツ・トヨタコレクションやトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパのコレクション、さらにはモーターワールド・ケルン内にあるミハエル・シューマッハ・プライベート・コレクションで様々なF1GPマシンと遭遇。濃密な1日でした。

トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパのコレクションでは、テストカーに終わった2001年のトヨタTF101も含めて、2002年のTF102から2009年のTF109、そして活動休止により実戦参加の叶わなかった2010年のTF110まで、同社のF1GPチャレンジで戦った歴代マシンが勢揃いした様には大きな感動を覚えてしまいました。

トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ

毎月第1土曜日に無料で一般開放されるドイツ・トヨタコレクションとは異なり、そのお隣にあるトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパのコレクションは、適宜、要事前予約で有料のガイドツアーを行っていて、そのツアーで今回の取材と同じコースを回れるのかは不明ですが、ケルンに出かけるなら要チェックです。

ニュルブルクリンクでは半世紀近い時を経てアロウズA2とご対面

またミハエル・シューマッハ・プライベート・コレクションではF1GPマシンだけでなくグループCカーのメルセデス・ベンツ(ザウバー)C291や、F3のレイナード893・VW、さらにはフォーミュラ・フォードやレーシングカートまで、彼がドライブしたありとあらゆるレーシングカーが展示されていて、しかも入場無料。シューマッハの熱狂的ファンならずとも一見の価値あり。

そして今回の取材行の最後を飾った(正確には、週明けに最後の博物館を訪ねていますが)博物館がニュルブルクリンクサーキットで行われたオールドタイマーGPの際に訪れたリンク・ヴェルク(ニュルブルクリンク博物館)でした。ニュルブルクリンクと言えば24時間レースに代表される「ハコ車」レースの印象が強いのですが、ドイツGPのホストコースとしても知られています。

実際、初めてニュルブルクリンクを訪れたのは1975年の西ドイツ・グランプリで、まだノルドシュライフェが舞台でした。そのサーキット博物館ともいうべきリンク・ヴェルクでは4台のF1GPマシンが展示されていました。2台のBMWザウバー(サスペンションの形状から2005年のシーズンオフにBMWエンジンに載せ替えてテスト車として使用されたザウバーC24と思われるが詳細不明)に加えて1987年のザクスピード871と1979年のアロウズA2の姿もありました。

ザクスピードの方はこれまでに何度も出会っていますが、アロウズの方はこれが初対面。まだ学生だった頃、ライバルと一線を画すデザインに驚き憧れた記憶が鮮明に蘇ってきました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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