並み居るショーカーを抑えて会場で異彩を放つ街道レーサー
2023年8月13日(日)に千葉県の幕張メッセで開催された「A-MESSE TOKYO」は、国内トップクラスのカスタムカー、ショーカーが集まるイベントで2000台以上のカスタム車両が集まった。今回は会場内で異彩を放っていた、一見すると懐かしの街道レーサースタイルながら、細かな部分までハイクオリティな仕上がりの1台を紹介する。
ショーカー製作のベテランが本気でプロデュース
気になるこのクルマの製作者はSOUKIさん。当日会場でもステージを担当する売れっ子DJであり、このクルマのほかにも「インパラ」のローライダーやスタンス系ランボルギーニ「ディアブロ」も手がけてきた根っからのカーガイだ。そして現在のオーナーの内藤 充さんも、製作者の意志を引き継いで乗り続けている。
この街道レーサーレプリカのベースとなっているのは、1980年式の日産「スカイラインGT-ES」。通称「ジャパン」と呼ばれる5代目スカイラインだ。ベースボディは一度総剥離をしたうえでボディをきっちりとレストア。これにフロントはローレルマスクをスワップし、サバンナ用ワークスフェンダーを加工して装着。
リアの3分割リップや巨大ウイング、そしてリップスポイラーなども全体のシルエットを考慮して装着することで、バランスよく仕上がっている。ちなみに2トーンのボディカラーやデザインもSOUKIさんによるもの。ゼッケンナンバーもジャパンの型式C210が由来となっている。
チョイスするパーツも当時モノにこだわる
精巧なのはボディの作りだけではない。ボディ各部に散りばめたパーツの数々も、時代考証に基づき、当時モノを贅沢に使用している。
例えばカーメイト製のドアミラーや青みがかったクリアテール、ボンネットのLBダクト、フロントに装着したSA22用オイルクーラーなど、チョイスしているパーツはいずれもマニア感涙のアイテムばかり。
そのほかオイルクーラーのホースを、ハイビームを片側外してそこからエンジンルーム内に引き込んだり、残ったもう片側を黄色いフォグランプに変更するなど、当時の街道レーサーの手法を徹底的に研究しているからこそなせるスタイル。こういった細かな積み重ねが全体から滲み出る本物のオーラに繋がっているというわけだ。
じつはエアサス装着で車高調整が可能
ホイールはスピードスターマークIIIで、前後ともに11Jという極太サイズをチョイス。フロントはCタイプ、リアはAタイプと前後で異なるオフセットに前後とも225/40R14サイズのタイヤを履く。
装着したワークスフェンダーへの絶妙な被り具合は、ノーサス&バンプラバーカットではなく、なんとエアサスによるもの。実際の走行を考慮して車高調整が可能となっているのだ。とはいえこのエアサスは段差を越える際などに緊急用として使う程度。結局カッコよさを追求して低いまま走ってしまい、リップをこすってしまうそうだ。
ちなみにタケヤリマフラーは脱着式となっており、公道では外して走行ができるようになっている。そんな大人の配慮もカスタム車両ならでは、と言えるだろう。