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トヨタ「セリカエルビー」は今見てもカッコイイ! サーフボードも積めたSUVのはしり的存在でした

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 富士スピードウェイ/AMW編集部

多用途に使えるスポーティカーとして登場

1979年に始まった日本でのスーパーシルエット(シルエットフォーミュラ)レースの主役といえば、「スカイライン」、「シルビア」、「ブルーバード」の日産ターボ軍団だったが、もう1台忘れられないクルマがある。それがトムスの走らせたトヨタ「セリカLBターボ」だ。

マスタングにインスパイアされたデザイン

シルエットフォーミュラのセリカLBターボは、BMWのワークスチームとして活躍した、ドイツの名門シュニッツァー・モータースポーツが、ドイツのトヨタディーラーから依頼を受けて製作したグループ5仕様のセリカで、それをトムスが輸入したもの。成績はともかく、カッコの良さでは日産ターボ軍団に見劣りしない存在だった。

タミヤが1/12スケールのラジコンカーを発売したり、プラモデル化されたことでそれらを手にしたこのとあるアラフィフのクルマ好きも多いはず。

そんなシルエットフォーミュラのセリカLBターボのベースになったのが、初代セリカ=ダルマセリカに後から1973年に追加された、ファストバックシルエットの3ドア 2+2クーペの「LB」。「LB」とは「リフトバック」のことで、これはトヨタの造語のボディ形状だ。

アメリカでヒットしていたフォード「マスタング」にインスパイアされたデザインで、実質的にはいわゆるハッチバックと変わらない。トヨタとしては、アウトドアライフ志向の高まりを受けて、多用途に使えるスポーティカーとしてLBを開発し、世に送り出している。

トヨタ セリカ LB 2000GT

エンジンは1.6L DOHCの2T-Gをはじめ、2L DOHCの18R-GがLBに与えられた。

18R-Gには、スポーツキャブの定番だったソレックス40PHHが装着され、圧縮比も9.7と高い仕様に。最高出力は145ps、最大トルク18.0kgmを誇り、カタログでは堂々と、最高速度205km/hとうたっていた(ゼロヨン16秒1。余談だが1981年デビューの初代ソアラ2800GTの実測最高速が200km/hだった……)。

サスペンションは、フロントがストラット、リアがラテラルロッド付きの4リンクと平凡だったが、2000GTは車重が1040kgと重く(LBの1600GTは995kg)、その分だけ、強化サスにチューニングされていた。

LSDもオプションでチョイスできた

またセリカといえば豊富なオプションで知られるように、LSDもオプションでチョイスできたのが特徴。タイヤも185/70HR13ラジアルが標準で、スペック的には勇ましい限り。

実際の走りだけでいえば、車重の重さなども響き(1600GTは995kg、2000GTは1040kg)、2000GTよりも1600GTの方がアジリティに優れ、運動性能は高かったが、人気があったのは2000GT。

大きなテールゲートを開けてリアシートを倒せば、サーフボードも積めたしキャンプ用具もしこたま積めて重宝した。そういう意味では、トヨタの狙いどおり、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル=スポーツ用多目的車)のはしり的な存在だったといえるだろう。

マスタングチックなハッチバックのスポーティカーというのも珍しかった。「リフトバック」というフレーズも新しく、給油口はリアの中央ガーニッシュパネル裏にあって、「GT」のエンブレムをパカッと開いて蓋を開けるのも斬新だった。未来を先取りしていたこともあり、人気が出るのもうなずける1台だ。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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