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ポルシェ「911レストモッド」が約2億1800万円で落札!「もしも993型をつくり続けていたら…」がコンセプトです

150万1000ドル(邦貨換算約2億1800万円)で落札されたポルシェ911レストモッド ギュンターワークス(C) Courtesy of RM Sotheby's

走行距離はわずか約62.4キロ

2023年8月17日〜19日、RMサザビーズがアメリカ・モントレーで開催したオークションにおいてポルシェ「911レストモッド ギュンターワークス」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

開発コンセプトは「もしも作り続けていたなら……」

毎年8月、カリフォルニア州モントレーでは、大小さまざまなクルマ関連のイベントが開催されている。その中のひとつに、モータースポーツ・ギャザリングというイベントがある。これはモータースポーツに関係する最新モデルやクラシックモデルが数多く展示され、新型車やプロトタイプの発表もおこなわれるというもの。そんなモータースポーツ・ギャザリング会場で、2020年8月に発表されたのが、Gunther Werksの993型ポルシェ「911カーボンモノコック」だった。

Gunther Werksは、ドイツ語で表記されているが本社はアメリカなので、まぁギュンターワークスと読めばいいのかと思うのだが、現行モデルのカーボンパーツ開発や、さまざまなヤングタイマー車のレストモッドなどをおこなっている会社だ。3年前に発表された993用カーボンモノコックも、レストモッドに使うためのものとして開発されたもの。

これを活かしてつくられたのが、RMサザビーズオークションに出品された「Porsche 911 Remastered by Gunther Werks 」である。

開発コンセプトとなっているのは、現在も993型をポルシェがつくり続けていたならこうなるであろう、というもの。エンジンは3.6Lフラット6をベースに排気量を4.0Lに拡大。鍛造ピストンなどを採用しているほか、996型911GT3の吸気系を流用するなどし、制御をMoTeCに変更することで400ps以上を発生する。トランスミッションは、993用のゲトラグG50型6速マニュアルだが、内部パーツは997GT3RSから流用することで、高強度と軽量化を実現している。

生産台数はわずか25台の希少モデル

カーボンモノコックはシルエットこそ993型に似ているが、フェンダーなどに微妙なモディファイが加えられていて、タイヤサイズはフロントが295/30R18、リアは335/30R18を採用。これによって大幅に向上した出力を、確実に路面へと伝えている。サスペンションは、JRZ製のアクティブサスペンションを採用することで、トラクション性能も向上している。

エクステリアはカーボン地を活かした美しさがポイント。ギュンターワークスはメタリックパールとゴールドフレークをブレンドしたペイントを施しつつ、フロントフードやルーフ、ダックテール部などは無垢のカーボン地そのままとしている。インテリア仕上げは、ダッシュボートやシートをカーボン+コニャック色のエアロノーティカルレザーでまとめ、ステアリングはビレット仕上げのセンターマーク付きアルカンターラ仕上げとした。

そんなギュンターワークスの993型911リマスタードは、25台のみの限定販売となっていた。つまりこの個体以外には、世界中どこを探しても24台しか存在していない。購入したオーナーは、コレクション目的だったようで、走行距離は39マイル(約62.4km)である。そういった事情からエスティメート(推定落札価格)は110万ドル〜130万ドル(約1億6000万円〜1億8900万円)という超高額だったのだが、ハンマープライスはオークションマスターの予想を大きく超える150万1000ドル(邦貨換算約2億1800万円)というものだった。

この価格については、論評が難しい。希少性や完成度の高さからいえば妥当ともいえるが、もともとの価格が1億円越えくらいだったことをからすれば、この短期間で2倍になっちゃった、ともいえる。いずれにしても、こういう魅力的なモデルを手に入れられる人がうらやましいし、人生どのように動いていればそうなれたのか、じっくり考え直してみたくなってしまうのだった。

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