憧れのR34を約2年かけてレストア&チューニング
2023年8月11日に富士スピードウェイで行われた「FUELFEST JAPAN TOKYO」には2000台を超える多彩なカスタムカーたちが一堂に会した。映画『ワイルド・スピード』シリーズと縁の深いこのイベントでは主人公を演じたポール・ウォーカーが愛した「GT-R」のオーナーも多く訪れていたなか、キレイに仕上げられた日産R34型「スカイラインGT-R」を発見! オーナーのCESARさんに話を聞いてみた。
R34 GT-Rオーナーになるという「ドリーム」
在日米軍基地に務めるCESARさんは、日本での在住歴も長い。そんななかこのR34 GT-Rを手に入れたのは2020年のことだったそうだ。もともとクルマが好きだったCESARさんだが、その中でもR34 GT-Rはとくに憧れていたという。
「さまざまな映画での活躍や、グランツーリスモでこのR34 GT-Rを知って好きになったんだ。このクルマのオーナーになることはまさにボクのドリームだったよ!」
こうして手に入れた個体は2000年式のV-spec。購入時にエンジンなどはもちろん、ボディまでキッチリとリフレッシュを施したそうだ。
こうして仕上がったCESARさんのGT-Rは、どこを見てもビカビカ。まさに極上コンディションとなっている。ここから手を加えたいことはありますか? と聞くとCESARさんは「フィニッシュ!」と元気よく答えた。コンディションはもちろん、各部のチューニングも非の打ち所がない。
見た目も中身もZ-tuneを意識、パワーはそれ以上に
外装パーツはNISMOで統一されている。これはCESARさんの憧れとこだわりの表れだ。R34に憧れたというCESARさんだが、その中でもごくわずかしか販売されなかった「Z-tune」が一番好きで憧れたクルマだそうだ。さすがに20台限定であったZ-tuneを手に入れることは叶わなかったが、同じ外装パーツを装着。
また、Z-tuneと同じなのは外装パーツだけではない。中身もZ-tuneに近づけてチューニングされているのがこのGT-Rのポイントだ。まずエンジン。チューニングベースとされることが多いN1ブロックよりも希少性の高いGTブロックをベースに仕上げられている。このGTブロックはJGTCのGT500マシンやニュルブルクリンク24時間レース車両など競技向けに開発されたエンジンパーツで、Z-tuneにも採用されている。そしてプロペラシャフトはカーボン製に変更されている。これもZ-tuneと同じ内容だ。
Z-tuneを意識したチューニングスペックだが、エンジンはZ-tune以上にハイパフォーマンスな仕上がりとなっている。排気量は2.6LのままHKSのVカムを導入し東名パワードのT550Bタービンを装着。これをハルテックのコンピューターで制御し650psを発生している。
増大したパワーに対応するため各部も強化している。R35エアフロやボッシュの大容量インジェクターが装着されているほか、トランスミッションもオートギャラリー横浜のダブルコーンシンクロが装着されているのだ。
箱根と桜という思い出
日本での時間をこのR34 GT-RとともにしているCESARさん。このクルマとの一番の思い出を聞いてみると、こう答えてくれた。
「箱根の桜並木を走ったのはとても印象的な思い出だね! あとはやっぱり今日このイベントに参加できたことさ!」
スカイラインGT-R×箱根×桜というのはなんとも日本らしい光景だ。きっと海外の日本車好きからしたら、画面の向こう側だけの夢のような光景なのだろう。
これからさらに手を加えることはないそうだが、昔からこのクルマに乗ることがドリームで、レストアとチューニングに約2年を費やしたCESARさんならば、まさに完成形と呼べるこの極上の状態をきっとキープしてくれることだろう。