全高は当時の国産車では群を抜く低さ
「Designed by Rotary」とカタログのヘッドコピーでも大きくうたった初代サバンナRX-7は、マツダが誇ったコンパクトで性能に優れたロータリーエンジンがあればこそ実現した新世代のスポーツカーだった。とくにフロント・ミッドシップの車両レイアウトの実現は、コンパクトさを武器にした初代サバンナRX-7ならではのもので、そもそも運動性ひいては操縦性に有利であるうえ、ボンネットを低くでき、だからこそリトラクタブルヘッドライトも採用した……とカタログでも説明している。全高は1260mmと当時の国産車では群を抜く低さで、空気抵抗係数は0.36の優秀さ、前後重量配分は50.7:49.3、車両重心点465mmの低さを実現していた。
搭載するロータリーエンジンは573cc×2ローターの12A型が選ばれ、最高出力は130ps/7000rpm、最大トルクは16.5kgm/4000rpmを発揮する。0-400m=15.8秒、0-100km/h加速8.6秒、さらに昭和53年排気ガス規制適合車であったこともカタログに記載がある。
サスペンションについてはフロントがストラット式、リアが4リンク+ワットリンク。リアのワットリンクは、左右のリンケージがリアアクスルを横方向にしっかりと位置決めしながら、上下動はほぼ垂直とすることからボディとホイールの位置関係の安定性を保つというもの。
……といった内容が、カタログ後半の説明のページにタップリとした文字数(横書きで、ざっと数えると1段21字×46行、1ページにつき3段ほどだから文字数で言うと3000字弱といった分量)で説明されていた。
初代サバンナRX-7はその後1980年のマイナーチェンジで、外観ではバンパー、テールランプ形状などを一新。さらに1982年にエンジンは6PI化された後、1983年9月になってターボ(165ps/23.0kgm)を登場させた。ちなみに初代サバンナRX-7の開発に携わった顔ぶれの多くが、その後の「ロードスター」の開発メンバーにもなっており、マツダのスポーツカー魂がそういう形で継承されていることがわかる。