RX-7のカブリオレを大胆にアレンジ
FC3C型マツダ「RX-7カブリオレ」をベースに、大胆にオリジナルシルエットのマシンを製作してしまった“かずぽん”さん。マルティニカラーでもわかるように、オーナーが目指したのは公道を駆け抜けるレーシングカースタイルだ。自分が思い描いたスタイルを貫き、情熱を注いで完成したFC3Cを紹介しよう。
スーパーカー世代の憧れのクルマがベース
1985年に登場した2代目「サバンナRX-7」(FC3S)。その2年後にロータリーエンジン車発売20周年を記念して登場したのがFC3Cの型式を持つカブリオレだ。当時は珍しい電動オープン2シーターとして話題となり、そのルックスとともに、スーパーカー世代のオーナーたちの間で憧れのスポーツカーとも呼ばれていた。
香川県在住の“かずぽん”さんもご多分に漏れず、幼少期にスーパーカーブームを経験した世代。低いフォルムにリトラクタブルヘッドライト、そして、幅広なボディに憧れを抱き続けて育ったクルマ好きなのである。
「己の理想を形にしたい!」という思いから製作したRX-7カブリオレは、ワイドフェンダーを装着させた独特のスタイルが特徴となっている。左右トータルで230mmワイド化したブリスターフェンダーは、完全自作というからその力の入れようは半端ではない。仕上げに際しては、往年のシルエットフォーミュラをモチーフにしていて、さらにアレンジを加えている。
時代感にこだわって、懐かしさあふれるスタイルに
フロントは、ポルシェ「935」風の丸4灯フォグランプが時代を感じさせ、オジサン世代の心に突き刺さるビジュアルだ。さらに遊び心あふれる出っ歯がアイポイントになっていて、個性を放っている。
トランクには、巨大な門型ウイングをマウント。これは、あえてフェラーリ「F40」をイメージしてワンオフで製作したものだという。リアウイングの製作においては強度を持たせるための工夫が随所に施されている。Aピラーよりも高い位置にマウントさせていて、強烈なダウンフォースを受けるため、鉄製の平板を用意して骨組みを作ってからFRPで成形するという凝ったつくりなのだ。
足元は、装着しているホイールが懐かしさを感じさせる。当時の定番ホイールと言えばボルクレーシング・グループCやBBS-RS、パナスポーツG7やC5Cだったことを思い出す。“かずぽん”さんも、その頃のホイールに詳しく、時代感を象徴するスタイルへのこだわりが特に強いようだ。そのため、このワイドボディFC3Cには当時物のBBS-RSをリバレルし、VRホイールズ製のアウターステップリムをセットさせたホイールを作り出した。そして、そのオフセットは-33というフォーミュラマシンさながらの極太深リム仕様になっている。
こう見えて、じつは公認仕様車
カラーリングは見ての通りのマルティニカラー。白地に赤・紺・水色のカラーリングは、我々が幼少期に見た速く走るスーパーマシンの証である。憧れていた理想を現実のクルマとして表現する要素として、マルティニ・ストライプは欠かせないポイントだと“かずぽん”さんは語る。
何から何まで特殊な改造車に見えるこのクルマだが、じつは違法改造車ではなく、しっかり公道を走れるクルマとして構造変更申請済みで、フル公認仕様になっている。どんなにクルマを作り込んでも、公道を堂々と走れなくては意味がないとかずぽんさんは考え、こだわって製作したのだ。ちなみに、マフラーがバイク用チャンバーになっているが、これは洒落で装着させたイベント用スタイルということだった。