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新型トヨタ「センチュリー」をSUVと言う勿れ! 新時代の「人中心」ショーファーカーはグローバルで勝負できる内容でした

新型トヨタ「センチュリー」をSUVと言う勿れ! 新時代の「人中心」ショーファーカーはグローバルで勝負できる内容でした

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: AMW 竹内耕太/トヨタ自動車

オーナー自身がドライブする場面でも走りを楽しめる

そうやって生まれたセンチュリーが、SUVなのか。たしかにボディデザインはSUV的なテイストがないわけではない。しかしアプローチアングルやデパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルはセンチュリーセダンと大きく違っているわけではない。

AI-AVS(Adaptive Variable Suspension system)を採用したサスペンションのセッティングや、DRS(Dynamic Rear Steering)を利用した挙動の抑制、モーターのトルクをリアルタイムで制御することによるボディの上下動抑制などといった技術も、悪路を走るためのものではなく、快適な空間を実現するためのものだ。

さらに新時代のショーファーカーは、オーナー自身がドライブすることもあり得るということから、ドライブモードには「リアコンフォート」「エコ」「ノーマル」に加えて「スポーツ」も用意。スライドドアも選べるというドアカスタムはショーファーカー的な要素だが、7色のボディカラーと3色のインテリアカラーに加えて、オーナーの希望によるカスタマイズを可能とすると発表されており、これもオーナー自身のドライブも視野に入れている、ということの現れだろう。

ビスポークを武器にグローバル市場へ

ちなみに現状このカスタマイズ、プレスリリースではこのように書かれている。

「ボディカラーや内装など、お客様のお好みに合ったカスタマイズを可能とし、ものづくりの匠が技術の粋を込めた世界で一台のセンチュリーを作り上げるプランを、今後、ご用意します」

これを文字通り解釈するなら、たんにオプションとして用意されているものを選択する、というのではなく、デザイナーや匠と打ち合わせをしながら自分だけの1台をつくる、いわゆる「ビスポーク」となるのではないだろうか。

これらの仕様から見えるのは、これまではドメスティック(日本国内の)モデルであったセンチュリーの、グローバル市場への進出である。このカテゴリーでいえば、たとえばロールス・ロイスの「カリナン」がある。だからこそいろいろなメディアは「センチュリーSUV」という言い方をしていたのかもしれない。

だがあくまでセンチュリーはセンチュリーというカテゴリーのクルマなのだ。発表会で流されていた映像にほんの一瞬だったがオープンボディモデルが映っていたし、会場にはGRMNモデルも展示されていたが、もしかしたらこれらもビスポークとして、あるいは今後のカスタマーからの反響によっては追加されるものなのかもしれない。そういった部分も含めて、最上級のショーファーカーであり最上級のドライバーズカー、本物を見抜く目を持った人が選ぶ最上級のモビリティがセンチュリーなのだ。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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