第19戦も2台体制で挑む
アメリカでもっとも人気のあるカーレース「NASCAR(ナスカー)」。その3大カテゴリーである「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「CRAFTSMAN Truck(トラック)」のうちのひとつ、トラックシリーズへ長年挑戦をし、2018年にはタイトルも獲得しているのが「HATTORI RACING ENTERPRISES(HRE)」である。ナスカー界で唯一の日本人チームオーナーとして、このチームを率いる服部茂章氏も、もともとはこのトラックシリーズに長年参戦してきた選手であり、現役を引退した後は、オーナーとしてこのシリーズに参戦を続けるチームをまとめ上げている。
レギュラーシーズンは終了したものの、今季初優勝を目指して
このナスカー・トラックシリーズは、2023年9月8日(金) にカンザス州カンザスシティにあるカンザス・スピードウェイにて、シリーズ第19戦となる「Kansas Lottery 200(134周)」に今回も2台体制で臨んだ。
16号車にはチーム在籍2年目となる若手ドライバー、テイラー・アンクラム選手。そして、#61 Cyclum Renewables Truck Stops TOYOTA TUNDRAにはジェイク・ドリュー選手が搭乗することとなった。
2022年シーズン、ARCAメナーズシリーズウエストでポールポジション4回、優勝4回、トップ5入り9回、トップ10入り10回で、2022年のARCAメナーズシリーズウエストのチャンピオンを獲得したドリュー選手は、このトラックシリーズ第13戦のナッシュビルでシリーズデビューを果たしたトヨタの若手育成ドライバーのひとり。
HREには第17戦インディアナポリスでスポット参戦し、今回でHREからの参戦は2度目、トラックシリーズ3戦目のドライバーである。ちなみにこれまでの2戦は12位、17位という結果である。
この週末、ワンデーイベントとなったトラックシリーズ。練習走行からマシンのセットに好感触を得ていたドリュー選手は、36台中10番手のタイムを記録した。一方、現在ランキング15位のテイラー・アンクラム選手は、走り出しからコーションが多く出されたセッションで思うとおりにトラックの感覚をつかみきれず、予選でも21番手にとどまった。そのためチームメイトから大きく遅れた11列目イン側からスタートすることに。
30周目と60周目にステージチェッカーが出される3ステージ制を取るこのカンザス戦。5列目アウト側からスタートしたNo.61 Cyclum Renewables Truck Stops TOYOTA TUNDRAはスタートから好ダッシュを決め、7番手までポジションアップしてそのまま第1ステージを7位で終了し、初のステージポイントを獲得した。
このステージブレイクでピットに戻った61号車だったが、ここでタイヤをロックさせて所定の位置よりかなり前方に停まってしまった。さらに、ピットアウトに時間が掛かってしまい、それによりポジションを大きく落とし、続く第2ステージを17番手からスタートさせることとなる。徐々にアンダーステアな傾向を見せるハンドリングに徐々に苦しめられながらも、20番手前後で走行を重ね、第2ステージを22位で終えた。
16号車は9位でスタートフィニッシュラインを通過
一方、No.16 LiUNA! TOYOTA TUNDRAは、第1ステージを終始トップ20内を走行することになり、最初のステージを22位で終えた。このステージブレイクでは、タイヤ4本交換と燃料補給を行って、第2ステージを走り切るもここでは21位で終わることとなった。
そして迎えた最終ステージでは、長いグリーン下での走行が続き、ドリューはレース残り40周というところで、ピットストップ。しかし118周目、119周目に立て続けにイエローフラッグが出され、ここで12番手までポジションを上げたドリュー選手はピットでタイヤ交換をし、最終的にキャリアベストフィニッシュとなる10位でスタートフィニッシュラインを通過した。
最終ステージを18番手からスタートを切ることとなったアンクラム選手は、レース残り約38周で16号車をピットに戻すことになった。その後立て続けに出されたレース終盤のイエローコーションはチームに有利に働き、アンクラム選手はラッキードッグの権利を受け、トップと同一周回のリードラップの13番目までポジションを上げる。さらに短いイエローのタイミングを経てアンクラム選手は果敢に攻め、HREの16号車は最終的に9位でスタート・フィニッシュ・ラインを通過した。
ナスカートラックシリーズ、次戦は、テネシー州にあるブリストル・モータースピードウェイで開催される「UNOH 200 presented by Ohio Logistics(200周/106.6マイル)」となる。