デイビス夫妻の没後も地元の人々の手で維持されている
カトゥーサだけじゃなくタルサ市民にとっての憩いの場となり、ルート66の名所としても高い知名度を獲得したものの、1988年になると不況のため営業を停止せざるを得なくなる。ヒューは1990年に亡くなりゼルタも2001年に亡くなると、ブルー・ホエールと池を含む公園はアッという間に荒れ果ててしまう。
それを残念に思ったカトゥーサの人々が立ち上がり、修復を目指し募金とボランティア活動をスタート。彼らの情熱が見事に実を結んでクジラは往年の姿で再び元気な姿を現し、現在も頻繁にペンキの塗り直しなどメンテナンスが行なわれているそうだ。
今は魚がいるようでプールとしては使っていないのかもしれないが、休日はピクニックを楽しむファミリーや写真を撮る観光客の姿が多く、デイビス夫妻が思い描いたであろう憩いの場であり続けているのが嬉しい。
ちなみにブルー・ホエールはルート66に限らず、オクラホマ州を代表する名所でもある模様。アメリカ発の『10 DAYS IN THE USA』というボードゲームで、カードに各州のシンボルがひとつ描かれており、オクラホマ州はまさにこのブルー・ホエールだ。ルート66を旅するボードゲーム『MOTHER ROAD Route 66』でも、オクラホマ州にはブルー・ホエールのイラストおよび「Catoosa, OK」の文字が。
ヒュー・デイビスが妻のために心を込めて作り上げた巨大な青いクジラは、ルート66という地域や時代を超えてアメリカ中の人々から愛されているのだ。
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