現役女性ラリードライバーの趣味はゴスロリファッション
2023年9月3日、アネスト岩田ターンパイク箱根でOZのホイールを愛用するオーナーたちが集まるイベント「OZ Fan Meeting 2023」が開催され、実戦をOZホイールとともに戦うラリーマシンも展示されていた。ラリー仕様のスズキ「スイフトスポーツ」の横には、ゴスロリファッションに身を包む女性の姿が。なんとこの女性はスイフトスポーツをドライブして全日本ラリーに挑戦している、兼松由奈選手その人なのだ。
2023シーズンはJN4クラスにステップアップして挑戦
2018年に女性ドライバー限定のL1ラリーでラリーデビューした兼松選手。2019年には中部地区ラリー、2020年には全日本ラリーのJN6クラスへと参戦し、ラリードライバーとしてステップアップしてきた。また、並行してサーキットでの競技にも参戦しており、2021年から富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツ「KYOJO CUP」にも挑戦している。
そんな兼松選手はより速いクラスへとステップアップを狙い、2023年はスイフトスポーツが主力となっているJN4クラスへの挑戦を決意し、このスイフトスポーツを購入。コドライバーの槻島もも選手とコンビを組み、女性コンビで全日本ラリーJN4クラスに挑戦している。
自分でデザインできるのはプライベーターならではの嬉しさ
これまでは、すでにラリーに参戦していて体制の出来ているチームからの参戦であったが、2023シーズンはプライベーターとしての参戦。自身で車両を準備しスポンサー活動やメカニックの手配なども行ったため、想像以上の苦労だったそうだ。しかし、自身で準備できるからこその楽しさもあったとのこと。そのひとつがカラーリングを自由にデザインできることだ。
ラリーマシンとして「カッコよくてカワイイ」を目指したカラーリングは兼松選手がメインでデザインしたもの。ボンネットとトランクには自身が好きなゴスロリファッションで多く用いられている赤のタータンチェックが描かれていて、サイドにはフリルもデザインされている。兼松選手の好きなものが散りばめられたカラーリングだ。
またロッソモデロ製のマフラーにはレーザーでカワイイひらがなフォントとヒヨコが描かれている。全体的にはカッコよさを重視しつつも、随所に女子力あふれた可愛さが差し込まれているのだ。
ラリーで定番のスーパーツーリズモWRCはカラーマッチングもお気に入り
そんな自身でカラーリングをデザインした兼松選手は当然ホイールにもこだわりがある。全日本ラリーを戦うために選んだホイールはOZ Racingの「Superturismo WRC」。OZはラリーでも長年活躍してきたということ、そしてこのホイールの名前にWRCとあるように、装着すると一気にラリーカーらしい出で立ちになるデザインがお気に入りポイントとのこと。また、ホイールに書かれた赤の「OZ RACING」の文字が、自身がデザインしたカラーリングの赤のタータンチェックとマッチするワンポイントとなっているのも気に入っているそうだ。
そして、激しい走行が多いラリーの実戦で使用しても、割れや歪みなどがなく丈夫なのは、ラリードライバーとして安心できるポイントだと語っていた。兼松選手が使用しているのは競技スペシャルなホイールではなく、市販品と同じもの。市販品でもこれだけ丈夫なのは長年のOZのモータースポーツ活動から得たノウハウが活かされているからだろう。
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2023年5月に行われた久万高原ラリーでは3位入賞を果たした。しかし、それだけでは満足していない様子。最終的には全日本ラリーでクラスチャンピオンを狙うのが目標だ。今シーズンは残すところ最終戦の10月14~15日に行われるハイランドマスターズだが、兼松選手の地元である岐阜で行われるというだけあって「地元でいい結果を残したい」と熱く語っていた。このスイフトスポーツとともに、全日本ラリーでどんな活躍を見せるのか期待しよう。