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輸出仕様の「NISSAN 300ZX」が人気投票1位! 三角窓のないエアコンが壊れたクルマほど夏がつらい車はありません

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

Z31に3リッターV6を積んだ北米向けの300ZX

数ある国産旧車の中でも、単一車名のまま50年以上にわたって継続生産されている日産「フェアレディZ」はひときわ特別な存在だ。この半世紀の間にS30型(初代)からRZ34型(6代目後期モデル)まで進化しているため、「ボクは2代目のS130型がベスト」、「オレは4代目のZ32型が欲しい」、「私は5代目のZ33型が一番好き」、といったように、世代を超え、誰の心の中にもお気に入りのフェアレディZがあるはずだ。

8月の浅間サンデーミーティングで人気投票1位を獲得

かくいう筆者はスーパーカーブーム世代なので、前照灯が上下に平行移動するパラレルライジングヘッドランプになっているZ31型(3代目)を見かけるたびに胸が躍ってしまうわけだが、去る2023年8月20日(日)に浅間山の麓の鬼押出し園駐車場で開催された「浅間サンデーミーティング」にて、超久しぶりに目撃し、そのカッコよさを再確認することができた。

毎月第3日曜日の朝に行われている浅間サンデーミーティングは、趣味性が強いクルマの集まりで、毎回、異なるテーマカーを設定。8月は国産スポーツカーが主役で、今年は他にドイツ&北欧、イタリア車&フランス車、アメリカ車&大排気量のクルマ、イギリス車&ライトウェイト&オープンカーといったテーマを用意している(ノンジャンルのときもあり)。

毎回、参加者および見学者による人気投票を実施している点もポイントで、8月の国産スポーツカー特集で栄えある第1位だったのが、畑 典行さん(46歳)が乗ってきた1986年式の「NISSAN 300ZX」(輸出仕様なので車名にフェアレディZは付かず)であった。

日産車好きの仲間から無期限で預かり中

「じつは、この300ZXは友人のクルマで、2年前から無期限で預かっています。ということで、もはや自分の愛車みたいなものなので、これからも今回が3回目の参加となる浅間サンデーミーティングやZが集まるイベントに顔を出していきたいですね」

何ゆえに預かっているのか? について伺ってみたら、畑さんがZ32型に乗っていたときにNISSAN 300ZXの本来のオーナーと親しくなったとのこと。畑さん自身は現在、521型の「ダットサントラック」を所有し、レストアしていると話してくれた。畑さんは、かつて510型「ブルーバード」、B12型「サニー」を愛用していたらしいので、生粋の日産車フリークということになるだろう。

エアコンを直すかどうか思案中

「このNISSAN 300ZXは、エンジンやブレーキこそしっかりしていますが、エアコンが壊れたままなので、きょうもツラい思いをしながら浅間まで走ってきました。エアコンはダッシュパネルを取り外してから修理しないといけないので、なかなか着手できませんね。手放してしまいましたが、Z32型にまた乗りたいと思っています。でも、タマ数が減ってきてしまい、パーツもないので、厳しいかもしれませんね」

無期限=期限を決めていないことなので、預かっているクルマを明日返却することになる可能性もあるわけだが、エアコンが動かないヤングタイマー(三角窓が存在していない)ほど暑い乗り物は無い。本来のオーナーが敬遠することで、畑さんのNISSAN 300ZX生活がまだまだ続くことになるはずだ。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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