児童たちがラリーカーを間近で見たり触れたりした
夏休みも終わり、2学期に入った2023年9月14日(木)、今季5回目となるラリー教室が、愛知県岡崎市内にある小学校2校で開催となった。ラリージャパン2023開催まで2カ月となった今回の会場は岡崎市北部にある奥殿小学校(愛知県岡崎市奥殿町仲西73)の84名。そしてその東側にある下山小学校(愛知県岡崎市保久町市場16)の17名。この2校を午前と午後にわけて2回のラリー教室の開催となった。ともに豊田スタジアムにも、SSが設定されている三河湖にも岡崎中央総合公園にも近い。
ラリーを小学生にわかりやすく解説
ラリージャパン2023は、2022年同様、WRC(世界ラリー選手権)シーズン最終戦として11月16日(木)〜19日(日)、愛知県および岐阜県で開催となる。サービスが置かれる豊田スタジアムでは、新たにデュアルSS形式で行われるスーパーSS(スペシャルステージ)が設定される。
また、2022年に岡崎公園脇の河川敷で開催されたOKAZAKI SSは、セントラルラリー2019で使用されていた岡崎中央総合公園でのSSに設定されることになったが、そのほかのSSについては2022年同様の設定となりそうだ。
そのラリージャパン開催地の地元では、夏前からラリー教室が行われ、各市町村の小学校などで出張授業が行われている。登壇するのは世界ラリー選手権をはじめ世界で活躍ののち、全日本ラリー選手権でも活躍している新井敏弘選手と、コ・ドライバーとして全日本ラリーをはじめとしてさまざまなラリー競技に参戦し、イベントMCなどもこなす槻島もも選手だ。
この2名によるラリー講座は、ラリー競技の解説として、ラリーが一般道を1台ずつ走ってそのスピードを競うことや、ドライバー1人ではなく、コ・ドライバーとの2人で協力して、事前に下見をして作ったペースノートを読み上げながら走ることなど、ほかのモータースポーツ競技とは異なることや、その魅力を、丁寧にわかりやすく伝えていた。
2022年のラリージャパンを実際に観戦しに行ったり、リエゾンで声援を送った児童も多く、地元の認知も向上しているだけに、このラリー講座にも興味を持っている児童が多い。
もちろん、ラリージャパンについても開催場所などの情報を交えつつ、最後には「夢をかなえるために」と題して、新井選手のこれまでの活躍を振り返りつつ、それぞれがどうやって長所を見つけていくか、そして自分の長所を伸ばすために努力を続ける大切さを児童に伝えていた。
近隣地域の住民も一緒になって楽しんだ
さらに講座では、ラリーカーについても話が及び、世界ラリー選手権では2022年からハイブリッド車両が競技に使われていること、非化石燃料を使用していること。ラリージャパンでは、水素や太陽光といったクリーンエネルギーを使って大会を運営することなど、環境に配慮していることも伝えられた。
そして、ラリー特別授業を提供している「学研教室」による「未来の車のひみつ」クイズなども行なわれ、単にモータースポーツという競技の知識だけでなく、次世代車両の説明や地球環境のためにできることについても気づきの機会が用意された。
この特別授業の後は、お楽しみのデモンストレーションランの時間となった。学校のグラウンドに用意されたのは、スバル「WRX STI」。乗り込むのはもちろん、2005年&2007年の世界ラリー選手権プロダクションカー (PWRC)チャンピオンの新井敏弘選手。バリバリと迫力あるエキゾーストサウンドと、グラウンドの砂を巻き上げて走る迫力ある本物のラリーカーに、児童はもちろん、父兄や近隣地域の住民も一緒になって楽しんだ。デモランの後には、児童たちがラリーカーを間近で見たり、運転席に座って記念撮影をするなど、ラリー教室を堪能したようだ。
FIA世界ラリー選手権「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」は11月16日(木)~19日(日)、愛知県および岐阜県で開催される。林道ステージは、16日(木)が鞍ケ池公園シェイクダウン。17日(金)は伊勢神トンネルSS、稲武ダムSS、設楽町SS。18日(土)が額田の森SS、三河湖SS、岡崎市SSS、新城市SS。19日(日)は根の上高原SS、恵那市SS、旭高原SSとなる。