ナンバーを取って動き始めてからも「ひと苦労」
北関東某所で発見した三菱「ギャランAMG」は、納屋モノの1台。前オーナーは健在だがもう乗らなくなったそうで、「これから乗り続けていくのなら」という条件のもと、筆者が譲ってもらうことに。そこで、路上復活への道から、ギャランAMGとのカーライフを不定期で連載。第4回目は「ヤングタイマー世代の国産車旧車も山あり谷あり」をお届けする。
「とりあえず動く」ではなく「普通に動く」を目指して
前回のレポートの通り、このギャランで採用されたエアサス「アクティブECS」がパンクしてしまった。その個体の修理はほぼ不可能、そして、どう探しても交換部品は見つからず、仕方なくソリッドなサスペンションに変更することで生きながらえることを決めた。
残念ながらあの快適な乗り味からは程遠くなってしまった。しかし、今後レストア業界の気まぐれで何かあるかもしれない、と「いつかどこかで」という希望をもって車両から取り外したアクティブECSは持ち帰っている。
ナンバーを取得し、実際に車両を動かしたこともあり、今回の修理入庫ではエアサスの修理だけでなく、もう少しじっくりと車両のチェックを行っていった。具体的に書き出せば、最初の車両再生時にリアのブレーキ固着があったが、今度はフロントのブレーキキャリパーが固着してしまっていた。こちらはピストンに腐食が見られ現状オイル漏れは見られないものの、ここは今後要観察だ。
さらにトランクルームに雨漏りも発見され、こちらはブチルゴムを交換。残念ながらトランク内のカビ臭いのは取り切れなかった。ヘッドライトは何度か玉切れが発生したため、ヘッドライトバルブはアフターの製品に交換している。また、ホーンが鳴りっぱなしになったこともあり、固着した接点を掃除しホーンパッドのスポンジ交換で対応した。
鳴り物入りで投入されたフルオートエアコンはレジスター不良があり、スイッチを入れても、車室内の温度の測定に時間がかかるのか、なかなか作動せず、作動しても風量調節が利かず、最大風量のみという状況である。
ちなみにエアコンの効きについては、エアコンガスが少ない、ということで、純正で使用されていたR12(フロン12)ガスから、R134aに変更し、すこしでも地球環境を考えて交換してみた。エアコンの効きは若干悪くなるということだが、最大風量でしか体感できないので、なんとも……。
とにかくパーツ欠品の嵐! とはいえ乗らないわけにもいかない
時折アイドリングの低下が見られるのだが、これについてはISCというパーツの不具合なのだそうだが、パーツ欠品につきお手上げ、という状況であった。
また、ドライブシャフトブーツをはじめ、タイロッドエンド、ロアアーム、ベローズといったところの交換も必要となるのだが欠品。こちらについては海外からのパーツを使用することとなった。これについては、同ディーラーを利用しているギャラン(E39)に乗る顧客の方を介して、その方が取り寄せていたパーツを分けてもらった。
ちなみに6代目ギャランのゴム系パーツについては、バルト三国や英国のほうではアフターメーカーの商品がリリースされていてまだ入手が可能ということだ。
とりあえず、このあたりの事象についてがっつりと修理を受け、とりあえず走る、ではなく普段使いとして走る状態にまで復活することとなった。まだまだ、だましだましで使用しているものも多いが、大事に日々『乗る』ことも重要、ということで週末のイベントやレース取材の足として使っている。
2度目の大修理を担当してくれたディーラーの担当者からは「少し乗りすぎでは?」といわれてしまったが、まもなく10万km(譲渡時は6万1900km)というところまできた。エアコンの効きや乗り心地に不満がないわけではないし、猛暑の日本では萎えることも多いが、三菱「ギャランAMG」とどこまで行けるのか、まだまだ付き合っていきたい。