国内に存在しないモデルをあえて目指す愉しみ
2023年9月2日~3日に静岡県の朝霧ジャンボリーキャンプ場で「The SUBIE」というイベントが行われ、スバル車のUSDMカスタムはもちろん、本物の逆輸入車も数多く集まった。「アウトバック」は「レガシィ」をベースに車高をあげたクロスオーバーモデルで北米で人気を博したモデルであり、国内にはワゴンボディしか存在しないが、北米にはセダンも存在する。今回は国内仕様をベースにアウトバックセダンを目指した1台を紹介しよう。
アメリカでも数が少ないリアバンパー探しが喫緊の課題
オーナーは北海道の旭川からはるばるエントリーの倉田さん。ベースとなっているのは2003年式のレガシィセダンで、「B4 2.0GT」という2Lターボエンジンを搭載したスポーツモデルだ。これを元に、北米の「アウトバックセダン3.0R L.L. Bean EDITION」を目指してコンバートしているそうだ。
まず大きな違いは国内のレガシィアウトバック同様、オーバーフェンダーが備わるという点だ。フェンダー部分は基本的にアウトバック用を流用しているのだが、問題はバンパーだ。当初フロントバンパーは国内仕様のレガシィアウトバック用を流用していたが、昨年USバンパーをゲットし、今年のThe SUBIEにはUSバンパーでエントリーを果たしている。ところが現在大きな壁にブチ当たっているという。
「アメリカでもアウトバックセダンは数が少ないので、リアバンパーがなかなか入手できなくて困ってます。本来はフェンダーフレア部分も一体構造なんですが、今はオーバーフェンダー部分を作って貼り付けている状態です。近い将来絶対に入手したいですね」
ターボエンジン独特のフードダクトを隠す
このプロジェクトには、じつは大きな問題があった。前述の通り国内のB4セダンをベースとしているため、ボンネットにターボエンジンのみに備わるインタークーラー用のダクトが備わるのだ。そこでこの車両はインタークーラーをエンジン上ではなく、フロントバンパー内に移動したうえで、NA車用のボンネットに交換しているのだ。話を聞かなければそんな苦労をしているとは誰も想像できないだろう。USDMへの道は険しいのである。
そのほか当然だが、ヘッドライトやテールライトはUS仕様に交換。最後にリアにOUTBACKとL.L.Bean EDITIONのバッジを装着して完成だ。
通常のセダンより高い車高はエアサスの装着で再現
ホイールは国内のセダンとはオフセットが異なるため、USアウトバック用のホイールを入手し、クローム加工したものを装着。これに通常のセダンより直径の大きいアウトバック純正の215/55R17サイズのタイヤを組み合わせている。
そして最後の決め手は車高だ。アウトバックなので、標準のセダンより車高が高いのだ。これを再現するために、倉田さんはなんとエアサスを装着。リフトアップされた状態の車高を簡単に再現できるようになったのだが……。
「じつは今エアサスが故障中で、ちょっと残念な車高になっちゃってます。今後はエアサスを直すのはもちろんですが、より細部にこだわっていきたいです。来年までにリアバンパーもゲットしてより完璧なスタイルで再びエントリーしたいですね」