充実を極めた快適装備も日本最高峰
一方でエンジンは当初からV8を搭載。排気量でみると3L(3V型)→3.4L(4V-U型、4V-EU型)→4L(5V-EU型)へと拡大した。
メカニズムでは、日本初のエアサスペンションをフロント側のトレーリングアームに組み合わせて採用。高低2段階切り換え式のラジエターファン、フロントの4ポットベンチレーテッドディスクブレーキ、パワーステアリングといった機能が当初から投入されていた。
もちろん装備面も、高級乗用車らしく充実したもの。この時代にして対向車に応じてヘッドライトのハイ/ロービームの切り換えを行なうコンライトをはじめ、オートドライブ、電磁式オートドアロック、オートマチックエアコンディショナー(空気清浄機も装備。カタログにはエアピュリファイアの単語も使われている)など。6ウェイ式パワーベンチシートも備えた。またシート関連では、古代布を当時の感覚で織り上げたという、浮き彫りにされた紋様(王朝紋)の布地を表皮に用い、天井も含めすべて布張りとした上質感を追求したものとなっていた。
またマイナーチェンジ後のモデルでは装備が一層の充実度をみせた。とくに後席に関してはアームレスト部に、なんとラジオ番組の録音やマイクミキシング/録音も可能なカセットデッキが用意されていたほか、ワイヤレスリモコンチューナー、後席エアコンコントロールなども。後席自体もバイブレーター、ヒーター、シートバックに2段折れ機構を備えたパワーラウンジシートなどが当然のように備えられた。なおドアロック、パワーウインドウ、パワーシート、シートヒーターなどの機能は光ファイバーにより集中制御されているという先進ぶりも見られた。
2代目センチュリーも20年とロングライフだった。だが、初代センチュリーの30年という長寿は、今の時代ではちょっと想像がつかない。いい時代のいいクルマで、だからこそ、それだけ長く愛されたということなのだろう。