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バブル時代の「アーマーゲー」はランボルギーニやフェラーリと同価格帯でした。それがいまや1200万円のバーゲンプライスです

バブル時代の「アーマーゲー」はランボルギーニやフェラーリと同価格帯でした。それがいまや1200万円のバーゲンプライスです

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

3000万円近い費用をかけて手に入れた「500SEL-AMG5.4」

インテリアはドアやセレクター周辺、ピラーなどにレザーを配し、リアドアウインドウにはプライバシーカーテンも装備されている。オーディオシステムはヘッドユニットフレームなどを金メッキした、クラリオン製となっている。

ここまでの作業でかかったのは、およそ10万4000ドルほど。当時の日本円で2500万円といったところだ。さらに、ドイツからアメリカへの輸送費や登録費用なども考えると、3000万円近い費用をかけて、当時としてはおそらく唯一のW126型500SEL-AMG5.4を手に入れたのだ。

メルセデス・ベンツ500SEL AMG 5.4

ちなみに1985年ごろの3000万円というと、どのくらいの価値があったのか。ちょっと調べてみたら、日本車では「センチュリー」のもっとも高価なEタイプが約600万円、FC3S型「RX-7」は、もっとも高いグレードで355万円くらいだった。

ポルシェは930型がちょうど世代だと思うのだが、日本での新車価格は1400万円くらいだったと記憶している。フェラーリ「308」や「カウンタック5000クワトロバルボーレ」あたりのアメリカでの価格は、日本円でいえばおそらく3000万円くらいだったのではないかと思うわけで、そう考えるといかにアメリカでとはいっても、500SEL-AMG5.4を手に入れるのにこの金額を用意したというのは、凄いことだと思ってしまう。

走行距離は約5万キロとアメリカにしては少ない

さて、今回RMサザビーズオークションに出品された500SEL-AMG5.4だが、その後は1989年5月にペンシルバニア州ピッツバーグ近郊に住む、新たなオーナーの手に渡った。それ以降登録されたオーナーは、いずれもピッツバーグ周辺の4名。オークション出品時の走行距離は約3万1000マイル(約5万km)と、年式とアメリカという土地柄から考えれば少ない。

その状態の良さから、エスティメート(推定落札価格)は10万〜15万ドル(邦貨換算約1460万円〜2190万円)と、当時6.0LまであったAMGチューニングの中では比較的おとなしめな5.4Lエンジンながら、高めの値づけとなっていた。しかし実際には、8万4000ドル(邦貨換算約1230万円)と、エスティメートよりも低い落札額となっている。

当時のオーナーがいかに情熱と時間、お金をかけて唯一の1台をつくったとしても、時間が経てばその想いは薄まってしまい、トップモデルの魅力にはかなわない、ということなのかもしれない。しかしその価値を理解できる人は、間違いなくいるはず。このクルマもさらに時間が経てば、その価値が見いだされていくのかもしれない。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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