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かつてエンジンルームには神が宿っていた! いま見てもホレボレする珠玉のエンジン5選を紹介します

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: AMW編集部/BMW AG

凝ったヘッドカバーは見る楽しさを与えてくれた

ひと昔前は、クルマ好きが集ると「エンジンルームを見せてもらえますか」といって、ボンネットを開けてエンジンを眺めながら、「ああでもない、こうでもない」とクルマ談義に花が咲いたものだが、いまのクルマはボンネットを開けても大きな樹脂製のエンジンカバーが見えるだけで、色気もへったくりもありゃしない……。クルマ好きを魅了してやまないエンジンの美しさは、気筒数と配列、造形、エキマニ、インマニなどの補機類、スロットルなどいろいろな要素で決まるが、一番表情があるのはカムカバー(ヘッドカバー、タペットカバー)。メーカーも気合いの入っているエンジンには、凝ったデザインのヘッドカバーを装着していた。今回は、そうしたカッコいいヘッドカバーを装着していたクルマを何台かピックアップしてみよう。

日産スカイラインGT-R

まずは日産を代表する強心臓、第2世代GT-Rの「RB26DETT」。グループAレースを制するために設計された特別なストレート6で、チューニングをすれば1000馬力オーバーも可能なタフなエンジンだった。R32とR33のカムカバーは、アルミの鋳造製のブラック仕上げ。R34になると樹脂製になり、限定車の「M-spec Nür」と「V-spec II Nür」には、ゴールドシリンダーヘッドカバーを採用していた。美しさは樹脂のゴールドかもしれないが、重厚感のある黒のアルミ鋳造タイプも捨てがたい。

M2 1001/M2 1028

マツダ直系の子会社、M2が1991年に発売した「M2 1001」は正統派チューニングのロールモデルになった重要な1台だが、そのM2 1001のカムカバーは、バフがけされてピカピカになった逸品だった。「ファミリア」から流用されたB6エンジンが、カムカバーをバフがけするだけであれだけカッコよくなるなんて、まさに目から鱗。センスの良さに脱帽した。その後に登場した「M2 1028」のカムカバーは、黒の結晶塗装でこれまた秀逸だった。

M2 1001

カムカバーをどう処理するかで、エンジンルームがいかに変わるかを教えてくれたクルマとして、このM2の2台が果たした役割は非常に大きい。

付け加えておくと、現行のND型「ロードスター」のエンジンのカムカバーもじつはアルミ合金製。同じ「SKYACTIV-G」エンジンを搭載する「アクセラ」や「デミオ」は樹脂製だったのに、NDでは、あえてカムカバーをアルミ合金製にしたところに、マツダの心意気を感じられる。

ホンダS2000

「エンジンのホンダ」といわれただけあって、ホンダはカムカバーデザインの重要性も理解していたメーカーのひとつ。1984年に「ワンダーシビック」と「CR-X」に搭載されたエンジン、15年ぶりのDOHCユニット「ZC」などは、ホンダのF1マシン「スピリット・ホンダ 201C」に載せられたRA-163E型エンジンのヘッドカバーを連想させるデザインだった。のちにタイプRシリーズに搭載された、赤い塗装のカムカバーも高性能ぶりをアピールするような力強いエンジンをアピールしていた。

なかでも「S2000」のF20Cのカムカバーは、シンプルで存在感があり、ボンネットを開けたとき、縦置きレイアウトだったこともカッコ良さを引き立てていた。

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