ドアバイザーは喫煙者ならずとも重宝する換気グッズ
三角窓がないトラックや箱バンなどでは、フロントフェイスに走行風を車内に取り入れるためのフタ、というかフラップがついているものもあった。こういうクルマの場合は、タバコを吸うときには外気導入フラップを開ければ、煙ることはない。
やがて、三角窓がデザイン上の問題や、ここを壊してドアロックを外すという盗難問題などからすたれてしまうと、煙を排除することが難しくなってしまう。そこで装備されるようになったのが、ドアバイザーだった。
ドアバイザーというのは、ドアウインドウ上部にセットするカバーのこと。これがなくてもドアウインドウを少しだけ開ければ、正圧と負圧の関係から車内の空気が車外へと引き出されるので換気はできるのだが、問題は雨の日。ドアウインドウを開けると雨が入ってくるけど車内は煙い、というとき、ドアバイザーをセットしていれば、雨を防ぐことができたのだ。そのためドアバイザーを付けていないクルマのほうが珍しい、という時代もあったのだが、喫煙者が減ったいま、ドアバイザーを付けているクルマはだいぶ少なくなった。
ドアバイザーは走行風によるノイズ増大の原因にもなるし、空気抵抗も増えるので燃費的にも不利。もちろんそういったデメリットを抑制した、空力解析から生まれた先進的なドアバイザーもあって、いまでも無限ではベンチレーテッドバイザーとして販売されているし、オートエグゼではスポーツバイザーとして販売されている。
またまた余談だが、内気循環のままエアコンで温度調節だけをおこなって長期間走り続けていると、車室内の空気が悪くなり、判断力が鈍りがちとなることもある。一般的には、車外の空気がキレイかな、というときには外気導入に切り替えて換気をすればいいのだが、煙という目に見えて環境が悪化しているものがないと、気が付きにくいものである。