4WSシステムが素晴らしくクルマのサイズをほとんど意識することがない
ラグジュアリィブランドに求められるテーマの一つが「ウェルビーイング」。東京から京都までドライブし、ベントレー「ベンテイガEWB」にもっとも「ウェルビーイング」を感じた理由とは?
世界ナンバー2ブランドのフラッグシップというポジション
「ウェルビーイング」(=よく生きる)という言葉がここ数年とても流行っている。最初に使い出した自動車ブランドはトヨタだっただろうか。もっともそれは“会社としてそうありたい”という意味で使っていたように思う。では具体的な商品のなかで「これがうちのウェルビーイングってヤツでさぁ」と言い始めたのは、どのブランドだろう?
これからの高級ブランドやラグジュアリィブランドに求められる重要(だけれどもざっくりとしていて耳に心地よい)テーマの一つだから、おそらくどのブランドも大なり小なり言っていたに違いない。けれども私がはっきりと覚えているブランドはベントレーだ。
みょうに得心したからだ。ベントレーというブランドの立ち位置は乗用車界においてロールス・ロイスに次ぐ世界ナンバー2である。以前は同格だったけれども、袂を分かったのちロールスは少し突き抜けた。ベントレーは突き抜ける代わりに嗜みつつ降ってくれた。頑張れば乗れるかもしれない超高級ブランドとしての存在感がすでに「ウェルビーイング」だと私は勝手に解釈したからだった。
このところ立て続けに最新仕様(モデルとしては熟成版)のコンチネンタル系やフライングスパー系を試してみたけれど、確かに「こいつとならいい感じに生活できそうだよな」という前向きな気持ち(たとえ今は買えないにしても)にさせてくれた。絶対的なパフォーマンスの高さはもちろんのこと、乗り心地や使い勝手の良さ、素晴らしいインテリアの雰囲気、胸のすくパワートレーンフィールなどが、世界No.2のブランド価値と相まって、そう思わせてくれたのだった。
ロングホイールベース版のベンテイガ、英国の伝統に則ってエクステンド・ホイール・ベース(EWB)と名乗るが、これまででもっとも「ウェルビーイング」を感じさせるベントレーだったと思う。いつものように東京から京都までドライブした、それが感想だ(ざっくりしているな!)。