さりげないカラーコーデも楽しむ
旦那さんのランニングシューズと短パンとワンポイントロゴT、奥様のゆるフワのロングスカートも、オレンジ&レッドで車のボディカラーと見事に統一されていて、シンプルでスポーティなコーディネイトなのにとてもシック。どんな風に打ち合わせて、このコーデにされたんですか?
妻「いや、事前にこうしよっか、みたいな話はふたりでは何もなかったです」
夫「ええ、起きて着替えたら、ふたりともこうだったというだけで」
イベント当日に、自然にボディカラーと合わせ気味のオレンジ&レッドのアイテムを採り入れてしまう夫婦。そんなノンシャランとこなれたお洒落が、即興でできてしまうなんて。
夫「あぁでも、準備めいたことといえば、妻がマニキュアをしていますね」
たしかに、奥様の左手の小指の側からBBR、つまりブルー/ブラン/ルージュのトリコロールが。よく見たらダッシュボードにも、リストバンドが3色旗に置かれている。
夫「このリストバンドは、家を出る時に、自分は何もフランスっぽいこと用意していないなと思い、タンスから急いで出してきて。たまたま3色あったんで」
またまた~、リストバンドって、そんな何色も持っているものですか?
夫「そこが原色好きなもので…」
妻「それがサイコパスっぽいというか、言わずとも言外に漂わせておけば、全部が思う方向に向いていくってことなんです……」
ふたりで車中泊してイベントに参加
話を戻して、ところで2020年式ということは、1回目の車検を終えたところですか? フェイスリフトした後期型もチラホラ見ますけど、新しいフロントフェイスはどう思われますか?
夫「ちょうど車検を通したところです。気に入ってますから、動いてくれる限り、ずっと乗り続けますよ。後期型の顔は、二枚目ですよね」
妻「ええ、私が運転しやすくて気に入っていますから。二枚目顔ももちろんいいですけど、可愛さでいったらこっちだよね、と思っています」
ふたりにお似合いでハマっているうえに、とても愛され車であるがわかる。ちなみに郡山からは片道550km近いルートだったそうで、道の駅で車中泊の1泊を挟んだのだとか。C5エアクロスの車内って、ふたりで寝られるほど余裕があるんですか?
夫「妻がジャストサイズでピキピキにキメるの好きなもので、室内長を測って、ネット通販でちょうどいいサイズのアウトドア用のシートマットを見つけてきたんですよ。それを2枚並べたら、ふたり横になれます」
たしかに、天地が薄いシートマットだから、室内で旦那さんが帽子をかぶったままあぐらをかいても、まったく圧迫感ナシ。寝袋や毛布などキャンプ道具は最低限、持ち歩いているそうだが、熟年夫婦のミニマム・キャンプキットなので、BBQセットのようなかさ張るものは積んでいないそうだ。
妻「子どもが小さかった頃はBBQもしましたけど、今は火をおこす系のアイテムは焚火シートぐらい」
夫「今日はもう運転おつかれさまって時に、車中泊の愉しみはこれですよ」
そういって旦那さんが大型保冷バッグから取り出して見せてくれたのは、ブラックニッカ・クリアのボトル。いかにもフランス車オーナーらしく、テロワール全開のワインじゃなくて、翌日に残りにくいハイボール派というところが、とても実利派のシトロエン・オーナーっぽいなぁと、感心させられたのだった。
つまりオレンジレッドの目立つC5エアクロスに乗る熟年夫婦は、昼間はシンプル・シックで大胆に装いつつ、夜は車内でしっとりチルアウトする、高効率エピキュリアン(享楽主義者)だったのだ。